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「Sweet Tactics vol.2」
「はっ・・・あ、・・・月、くんっ・・・」
「竜崎・・・」
耳元に吹き込まれる声音は、ひどく甘い。
脳髄が溶けそうだった。出来ることなら、耳を塞いでしまいたいくらい。
けれど、月はそんな竜崎の弱い部分を、容赦なく責め立てて来る。
「・・・もう、こんなに濡らしてるんだな。やっぱり、二人きりになりたかったってのは、こういうことだった、ってことか?」
ぐちゃぐちゃと、わざと聞こえるように鳴らされる卑猥な水音。
まったく、性格の悪い男だ。
快楽は去ることながら、羞恥もまた、逃れられないもののひとつ。
耐えていても、頬に血が上るのを抑えきれない。竜崎は、そんな己の顔を極力見られないようにと、
腕を伸ばし、月の首にしがみ付く。まるで、本物の恋人同士のように。
無意識であれ、意図的であれ、己に縋る竜崎の態度に気を良くした月は、
中心を嬲る手をやめないまま、男の両足をソファの肘掛にかけさせた。
そうして、下着ごと身に着けている衣服を脱がせてやれば、
目の前に在るのは、一糸纏わぬ、生まれたままの竜崎その人。
だが、ここまですべてを晒していながら、肝腎の彼の心がわからないことに、
月は意外にも不快感を覚えていた。もちろん、顔には出さない。
だがきっと、それを竜崎もわかっているのだろう。
散々、自分を挑発してきた男のことだ。このくらいの腹いせは、当然、といったところか。
つくづく、扱うの面倒な男だと思う。
だが、だからこそ今、こんな関係になっているのも事実。
コイツは、キライじゃない。
殺すべき相手でなかったら、本当の意味で親友になれていたかもしれないな、と、
月は再び重ねた唇を味わいながら考えていた。
「・・・ズルイ・・・ですね、月くん・・・」
自分ばかり恥ずかしい格好をさせられているのが不満だと、
竜崎の腕が己の方に伸びてくる。そうして、襟元を掴み、脱がされていく上着。
月は笑った。これもまた、竜崎という男への、ささやかな嫌がらせ。
残りのボタンを外し、肩からシャツをずらそうとする竜崎に構わず、
月は次の行為に移り始めた。
次の行為―――・・・先走りに濡れた己の手を、男の背後に這わせていく。
「っ・・・、く、・・・」
その場所に触れた瞬間、竜崎は思わず身を竦ませていた。
そうして、キュ、と縮まる入り口。それは、脅えからか、それとも期待からか。
パサリ、と音がして、月の衣服が肩から滑り落されると、
月は素肌を晒した己の上半身を傾け、竜崎のそれと重ね合わせた。
「っは・・・、っ・・・」
羞恥を煽るその部分への刺激から逃れようと無意識に浮き上がる身体に、
月は指先を絡めてソファの背に縫い止める。そうして、もう片方は狭い内部へ。
濡れた湯ヴィ先は、それほど苦もなく奥へと侵入を果たしたが、
それは竜崎にとっては、ひどく辛い行為のようだった。快楽よりも、苦痛に顔を歪ませている竜崎の姿。
月はしばらく指でその部分を解していたが、少し考え、今度は己の頭を彼の中心へと埋めていった。
「・・・っあ・・・!や、め・・・!」
「痛いのは嫌だろ?だったら、大人しくしてろよ」
両手で、竜崎の腿の裏側を支え、そうして己の目の前に彼の後孔を晒す。
赤く熟れたような色のそこは、男に見られることで一層激しく収縮し、
まるで誘っているかのようだ。唾液を舌に乗せ、丁寧にその部分を濡らしていく。
さすがの竜崎も、その直接的な刺激は耐え難いものだった。
震える腕が、顔を埋めた月の髪に伸びた。指先を絡めて、引き剥がすそうと力を込める。
しかし、うまく力の入らない身体は、竜崎の意思に思うように従ってはくれず、
ただ、男の愛撫を強めさせる結果に繋がる。
ずっ、と舌が襞を通り、内部へと侵食していく。
ぴちゃぴちゃと聞こえてくる音にすら犯されているかのようだ。
竜崎は唇を噛み締めた。
早く、終わってしまえばいいと思う。やはり、自分には耐えられない。
他人に、己の身体を預けるなど。
恐怖でしかなかった。相手がキラであろうとなかろうと、
他人を己自身と同等のレベルで信用することなど、竜崎にはできなかった。当然だった。幼い頃から、そういう育て方をされて来なかったのだから。
出来ることなら、誰とも会いたくない。だからこそ、Lとして姿を現さず、いままでやってきた。
だというのに、今回、なぜわざわざ日本にまで出向いて、
ごく一部とはいえ己の正体を明かしたか―――。
それほど、手強かったのだ、キラという存在は。
自ら前線に出て行かなければ、まともな手がかりすら見つからない―――それほどの男だったからだ。
(・・・夜神、月・・・)
顔をあげた月を、竜崎は熱の篭った瞳で見つめた。
キラ―――自分が真実を突き止め、逮捕すべき相手。
竜崎にとって、夜神月はどうあってもキラでなければなかった。
そうでなければ、意味がない。
己が、ここでこうしている意味が、なくなってしまう。
(キラ・・・お前は今、何を考えている?)
だが、月の読めない瞳は、やはり今も同じ輝きを宿したまま、
ただただ竜崎を見据えてくる。どれほど触れ合っていても、わからない互いの感情。
しかし、それも当然だ。
心を読まれてしまうことは、即ち"負け"なのだから。
月は、漸く解放した竜崎の下肢に、再び己の指を差し入れ、そうしてかき回した。
崩れ落ちそうになる理性を、竜崎は必死に掻き集めた。
そうして、男にしがみ付く。己が沈み逝くであろう深淵に、男をも道連れにするかのように。
触れ合う唇。絡み合う舌。貪るような口付けを交わしながら、
すっかり柔軟になったその部分を指先で拡げる。
そうして、片手で己のバックルを外し、ジッパーを下ろす。竜崎は息を呑んだ。
ひどく収縮を繰り返すその部分に、熱い塊の感触が触れる。
「っ・・・ぁ、」
「竜崎・・・入れるよ?」
「・・・っあ―――・・・!」
次の瞬間、ぐっと押し入ってきた熱の圧迫感に、
竜崎は押し出されるような声を上げていた。
あれほど月が丁寧に解していたというのに、それでもまだ苦痛を伴う快楽に耐えるように、
無意識に竜崎は指を噛む。くぐもったような声音が、指の間から洩れてくる。
くっきりと付いてしまった歯型が痛々しくて、そこを舌で舐め、癒すように口付ける。
月はそのまま下肢を貫く力を強めていった。
「っ・・・、あ、んっ・・・!」
狭い竜崎の中は熱く、ただでさえ高まっていた互いの熱をより一層高めていく。
もっと奥まで侵食したくて、月は抱えていた腰をしっかりと抱え直すと、
下肢を繋げたまま、竜崎の身体を両腕で持ち上げた。唐突な不安定さに、竜崎は一瞬脅えたような色を見せる。
ソファに乗り上げた自分の膝に、竜崎を座らせるような格好をさせた月は、
そのまま激しい突き上げを始めた。重力で落ち込もうとする身体を強く貫かれて、
竜崎は身体がバラバラになりそうな恐怖すら覚える。
これ以上続けられたら、自分の身体が壊れてしまうのではと思うほど。
苦痛を伴っていたはずの快楽は、いつの間にか激しい衝撃を伴い竜崎の思考を摩滅させていく。
だが、それは月の方も同じだった。
「んっ・・・」
「熱いな・・・」
竜崎の内部から湧き起こる快楽は、ひどく甘美で、
脳まで腐ってしまいそう。気付けば理性など、ほとんど持ち合わせてなどいなかった。
ただ、竜崎という男の、そのすべてが欲しくて、
抱き締める。腕の力を強くしてやれば、竜崎もまたおずおずと月の背に両腕を回してくる。
誰にも馴染まない、孤高の存在であるはずの彼が己に縋ってくる様子は、
ひどく優越感を煽るものだった。
月は手を伸ばし、互いの腹の間で蜜を零すそれを手のひらで包み込んだ。ひくひくと開閉する先端を、親指で刺激する。
下肢の奥から湧き起こる、充足感を伴う深い快楽とは対照的な、
頭が真っ白になるような鋭い刺激に、
竜崎はいやいやと首を振った。汗で濡れた髪が、頬に張り付いている。
キレイだと、思った。
竜崎自身ですら知らない、惑乱する彼の姿。
普段の幼い子供のような竜崎ではない、彼の別の面を見た気がした。
月は、竜崎の身体をソファの背もたれに預けると、そのまま上半身にのしかかり、
唇を重ねた。繋がる箇所が、ぐっと熱くなる、そんな瞬間。
「っ・・・あ、月、く・・・!もっ・・・」
指が食い込むほどに、強く肩を掴まれ、月は竜崎が限界であることを知る。
彼自身の、はち切れんばかりのその雄を、
月は解放を許すように強く擦った。耐えられないと、竜崎の手が己の雄に掛けられる。
「は、・・・あっ、あ、っああ・・・!!」
下肢の奥の、竜崎の弱い部分を強く擦ってやると、
ひときわ高い声をあげて、竜崎は自身を解放した。どくどくと、あふれ出る白濁が、
互いの腹を汚していく。
それを満足げに見下ろしながら、月もまた、己自身の限界を感じ、
達した衝撃で激しく収縮するそこを2、3度擦れば、
低く呻いて竜崎の内部に放たれる精。
ぐったりとソファに身を預ける竜崎に倣い、月もまた身を預けた。
たった二人切りの、静かな夜。
全面ガラス張りの外に見えるものは、美しい夜景。
こんな、恐ろしい大量殺人事件が起こっているとは思えないほどに、美しい光景。
「・・・・・・キラ」
「え?」
反応してから、失敗した、と月は思わず口を押さえた。
呼ばれたと思ったわけではない。なにを唐突に、と思いとっさに声をあげてしまっただけなのだが、
これでは、呼ばれたから振り向いたかのようではないか。
だが、竜崎は特別にそれを突っ込むつもりはなかったらしい。
くすりと笑って、ゆっくりと身を起こす。
そうして、一糸纏わぬ裸のまま、普段の足を抱え込むような格好をとる。
やはり、その格好が一番落ち着くのだろうか。
竜崎が前を見据えたまま、口を開いた。
「キラは、今、何しているでしょうねぇ」
窓の外を、じっと見つめて。
竜崎は見ているのだろうか?自分が捕まえるべき、キラという男の影を。
いや、違う。
竜崎はきっと、窓ガラスに映る、夜神月、その人を見据えている。
月は、竜崎にならって、窓を見やった。
彼が見つめるものは、ガラスに映る自分自身の本当の姿。そうして、もうひとり。
最大の敵、L。
「きっと、この夜景を見ているさ。僕達と同じように」
「・・・そうですね」
窓ガラスの先にある、美しい世界。
月と竜崎は、それぞれの思惑と共に、ガラス越しの景色を見つめたのだった。
end.
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