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「Black Rule 02」


「・・・ね、翼、出してみてよ。」
「っえ・・・」

身体の体勢を変えられて、エルは少し不安げに首を捻って月を見上げた。
背後から横抱きにされ、片手で前を嬲られる。先ほど解放したばかりのそれは、
さすがに力は失っていたが、エルに快楽を伝えるには十分だった。
すぐに力を取り戻す雄。無意識に、吐息が洩れる。

「どう、し・・・」
「好きなんだ。君の・・・」

うっとりと、肩甲骨の辺りを舌でなぞるようにされれば、
ぞくりと背筋を這う感覚とくすぐったさで、その部分が緊張する。
普段、無意識に広げられるはずの翼は、こういうときには自分自身すらどうやっていたのかわからなくなって、
助けを求めるようにエルは月に視線を傾ける。
月はくすり、と笑った。
ぐっ、と握り込められれば、またもや解放を求めて高揚してしまう素直な身体。

「力、抜いて」

十分に扱いてやって、先ほどの硬さと熱を取り戻した楔を置き去りに、
月の両手が彼の胸板を掴む。親指でマッサージをするように円を描くように背筋を押してやれば、

「あっ・・・、は、んっ・・・!」

身を竦ませるエル。一瞬途切れる緊張。痺れるような刺激。
ばさり、と音がして、蝙蝠のような黒い色の翼が広げられた。
美しい。いつだって、月はそう思う。
翼は、いつの時代でも人間の夢だ。故に、劇画などでもよく翼を持つ人間が描かれる。
だが、例外なくそれは滑稽で、
人間が持つものではないのだと主張しているかのよう。
けれど、エルの翼は違った。
小柄な体躯に、その髪の色と同じ濡れたような漆黒の翼がよく似合う。

「っあ・・・、月、くん・・・!」
「逃げるな・・・」

嫌だ、と折角広げた翼を折り畳もうとするエルに、
月はがしりと翼の根元を手で押さえた。ぐっ、と引っ張るくらいに力を込めれば、
やはりそうされると痛むのか、エルの顔が歪む。
けれど、離す気などない月は、
そのまま黒き翼の、付け根の部分に舌を這わせ始めた。
不思議な場所だと思う。
普段は、どうやって仕舞われているのだろう?肉を裂いた部分が、かすかに体液を滲ませている。

「・・・ッア、・・・」
「感じるんだ?」

翼を支える柔軟な骨格の部分を指先で撫でるようにしながら、
付け根にしっかりと舌先を滑り込ませる。びくびくと震えるのは、身体だけではなかった。
身を竦ませるように、折り畳まれる翼。月が手で遮っているから、
尚更思うように羽根を扱えず戸惑うエル。
可愛い、と思う。
このままの状態で、下肢を貫いてやったらどんな風に啼いてくれるだろう?

「い・・・、あ、離しっ・・・、」
「駄目。翼、隠したらお仕置きだよ、エル」
「・・・っ」

言い方は優しいが、月の言葉ひとつひとつにエルは己への拘束力をひしひしと感じる。
結局、自分が彼より優位に立てるはずがないのだ。
生前でもそうだった。
そして、今、死神として、月の命すら己の手に握っている状態でも―――、
本気で、彼の命を利用して彼を脅すなどできやしない。
できるはずがなかった。
己が憑いた人間を殺してはならない、などという、
そんなつまらないルールに拘束されているからではない。
今、彼と共に居られることが、自分にとって奇跡のようなものなのだ。
どうして、自らの手でそれを失うことができよう?

「やっ・・・、夜神、く―――・・・」

狭い場所に、ぐっ、と押し込まれる熱の塊。
裂くような勢いで侵入してくる月の雄に、エルは顔を顰めたが、
しかし抵抗できるはずもない。
それどころか、己の内部は既に歓喜の様相を見せていた。どう繕ったって、隠せない事実。
半端に収めたまま、エルの身体を四つん這いにさせ、
そうして、片腕で翼を抱え直し、もう片方は震えているエルの中心へと伸びる。
もちろん、竜崎は腕で己の身体を支えることなどできず、
枕に顔を埋めてしまった。
あわてて横を向く。その頬に、唇が落とされる。

「んっ・・・、あ、・・・」
「すっごい、もの欲しそうな身体をしているね、エル」
「・・・っい・・・」

羞恥に頭に血が上るよう。だが、気付けばほとんど身動きできない状態で
ベッドに押し付けられている。
もっと強請るように、腰を動かすのが精一杯だった。
当然、耐え切れない、とエルは声を上げた。
逃げ出そうとすると、かえって月は喜んだ。
彼のすべての動きが、月には淫らに見えて仕方がないのだ。

「いいよ・・・エル・・・」
「あっ・・・、そっ・・・、ばか・・・!」

舌で背中をなぞりなから、次第に激しく抽挿を繰り返されれば、
その衝撃に、抑えるそばから洩れてしまう甘い声音。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が死神の耳に届くたぴに、彼自身のそれも熱を噌す。
指先で付け根あたりと羽根を愛撫しなから、
月は背を伸ばしてエルの頬に□付けた。もはや、死神だとは思えない程に人間臭い彼の姿。
こういう時、エルの死神としての能力はほとんど皆無に近い。
逃げ出そうとすれば、本来の彼ならば、ベッドや床をすり抜けてでも逃げられるし、
そもそも己の意思ひとつで月すら触れられなくすることもできるはずだ。
だのに、それをしないのは、
熱に浮かされ、朦朧とした頭ではそういう力をうまく扱えないからなのか、
それとも―――。
もちろん、月はその理由を後者のほうだと思っている。

「・・・ね、もうイっても・・・いい?」
「っ・・・、そんな、コト・・・」

聞かないでくださいよ・・・、と口の中でもぐもぐと呟くエルに、
彼の顎を取り、唇にキス。
それから、今度こそしっかりと両腕で腰を抱えると、
先ほどの比ではないくらいに、ガツガツと彼の内部を貪り始めた。
もはや気力もなく、ただ月に揺らされるままにシーツに皺をつくるエルの身体。
ぎしぎしと音を立てるスプリングも、2人の熱を高める要素の1つだった。
エルは身を竦ませ、必死に快楽の波に耐えていた。
けれど、もう既に、限界はすぐそこだ。

「っあ・・・、んっ、あ、ああっ・・・」
「エル・・・好きだよ・・・」

己の動きに合わせるように腰を揺らすエルは、もう理性などとっくに失っている。
そんな彼の耳に甘い言葉を吹き込んで、月は彼の背をしっかりと抱き締めた。
ぴったりと張り付く背中。前に回した腕にしがみ付くエルの両手。

「・・・んっ・・・あ、わ、私も・・・っ・・・」

生前では考えられなかった言葉も今では、
そう無理して言わせなくとも返ってくる。それが嬉しくて。
心に何かを隠すこともなく、企みも持たず、
ただ純粋に彼が欲しいと、そう、思える瞬間。
本当に貴重で、大切なもの。
無理だとはわかっている。けれど月は、
これが永遠に続くならいいのにと、半ば本気で思っている。

「エル・・・っ」

息があがる。そう、今は欲しいものはすべて、腕の中。
エルの乱れた吐息に、こちらもかなり限界まで追い詰められていたことに気付く。
そして、気付いた瞬間、抑えられないほどの欲望が溢れ出す。
丁度目の前の、白く滑らかな首筋に歯を立てるように口付けて、
力を失ったようにだらりと投げ出された翼に触れて、
そうして、ひときわ強く、月はエルに腰を打ちつけた。熱い内部が、ぐっと収縮する瞬間。

「あっ・・・ライ・・・っ、あ、ああ―――っ・・・!!」
「くっ・・・エル・・・!」

どくどくと、吐き出される精を、月は手の中に受け止めた。
そうして、内部には月の、熱くねっとりとした白濁。雄を押し込めた場所を緩めれば、
溢れてくる欲望の証。
こんな身体でも、月がイッてくれたことに内心安堵しているエルは、
月が出て行く時も名残惜しげに、
目を閉じてそれを感じていた。ああ、満たされていたものが、またお預けになってしまう。

「よかったよ、エル」
「・・・月君」

濡れた髪を指先で梳いてやり、腕の中に収める。
まだ、足りない。飢えた身体は、何度潤してもまた渇いては切望する。

「・・・んっ・・・」
「・・・まだまだ、夜は長いよな」

そう、まだ夜は始まったばかり。
触れるだけのキスが、すぐに深いものに変わる。絡み合う舌は、まだ互いが足りないと互いを求めている証拠。
熱い吐息を吐いて。月は、今度は彼の腰を抱え上げ、己に向き合わせる。
再び抱き合った二人は、再び背筋を這い登る素直な欲望に、
互いの身を任せたのだった。



end.


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