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「誤算〜Gallery〜 vol.2」
・・・キ、ラ・・・。
彼を挑発しようと紡いだ言葉は、しかし声になることはなかった。
割られた膝の間に、月は己の身体を滑り込ませていた。
素肌の内腿を、するりと撫で上げられる。一瞬にして緊張したそこを襲う、強い刺激。
月の顔が、己の中心部に埋まっていた。
竜崎の雄に指を絡め、捕らえたそれに舌を這わせる。
竜崎は息を呑んだ。
まさか、いきなり直接的な部分に触れてくるとは思わなかったからである。
「っあ・・・!や、月く・・・!」
自由になった両腕で引き剥がそうと試みるが、
髪に指を差し入れ、力を込めてみても一向に役に立たない。
それどころか、愛撫は強まる一方。広い部屋にまで響くほどの大きな音を立てて、
強く吸われては、舌で絡められる。
男の□内は温かく、竜埼の理性すら惑わされる。
執拗な、愛撫だった。与えられる快感に耐えようと、竜埼の爪先がソファの布に食い込んでは、震える。
逃げようとして、思わず身を揖る竜埼は、
けれど上身以外はすべて月の手に阻まれて、
ぴくりとも動けなかった。腰の奥が、ぞくりと疼いた。
「っや・・・夜神くん・・・!だ、そこ・・・」
「気持ちいい?竜埼・・・」
身を丸くするようにして、立てられる膝。
月の丁寧な口淫によって高められた竜崎の雄は、
まっすぐに天を向き、ぬらぬらと先走りに光っている。
ひくひくと開閉を繰り返す入り口を舌でなぞってやれば、
紅色に染まった肌が粟立った。
耐え切れない、と竜崎の首が無意識に横に振られた。
けれどもちろん、月が愛撫を止めるはずがない。
限界も近く、一段と質量を増した口内のそれを、一層強く擦ってやった。
根元をきつく締め付けるようにしながら、頭を上下に動かし強く扱いてやる。
長く耐えられるはずもなかった。
月と髪に差し入れられた指先が、ぎゅ、と握り締められた。
「ん・・・ぁ、ああ・・・っ!!!」
ひときわ高く響いた、甘い声音。
もちろん、竜崎は羞恥に咄嗟に手で唇を抑えた。
だが、もう遅い。
唇を噛み締めていても、身体の震えが止まりそうになかった。
男の口内に己の精を吐き出すのはこの上ない恥ずかしいことではあったが、
もはや、今更。男は、未だに自分の雄を捕らえたまま、
解放された白濁を呑み込んでいるようだ。
すぐに、熱がぶり返す気がした。
顔をあげた男の、濡れた唇が淫ら過ぎて、直視できない。
「・・・―――美味しい。」
「・・・・・・」
見せ付けるように唇を拭った月は、
あまりの羞恥に顔を背けている男を覗き込んだ。
唇を重ねる。
肩を揺らして苦しげに喘ぐ男の息すら奪うように。
舌を絡めれば、嫌そうに眉を顰めるものの、
さすがの竜崎も抵抗する気力は湧かなかったようだ。ますます深く重ねられれば、
嫌でも耳を襲う卑猥な音。
含み切れない体液が、竜崎の頬を伝う。
濃厚な行為は、更なる熱を互いの身体の奥に宿らせる。
男の背にしがみ付き、やっと辛うじて理性を取り戻した竜崎は、
けれど己の中に宿る熱を、
このままにはしておけないことを不本意ながら感じていた。
男の手で、無理矢理イかされた己自身。
それは、屈辱的な行為であるにも関わらず、確かに後戻りできない程に自分を昂ぶらせていたのだ。
相変わらず自分の肌に突き刺さる、容赦のない人間の視線。
これほど男の手で乱れさせられている自分に、
彼らはどう思うだろうか。
ああ―――。
今回もまた、失敗だ。
「っぁ・・・、ライ、ト、くん・・・っ」
遠慮もなしに、ズプリと突き立てられる男の指先。
長いそれが、正確に自分の弱い部分を擦り上げていた。
耐えられるわけがない。
何度何回、こんな行為を続けてきたかわからない。
性的なことなど、知識としてはあったものの興味を向けることなどなかった自分が、
いつの間にか溺れていた。すべて、この夜神月という男の存在故。
初めて、出会った。自分を、本気にさせる相手に。
こちらの疑いの眼差しにも動じず、
それどころか、愛情まで注いでくれた彼。
本気でなくとも、構わなかった。
自分だって、彼を騙し続けてきたのだ。そうして、ここまで来た。
演技のつもりで、いつの間にか演技ではなくなっていた自分に気づきたくなくて、
ずっとふりばかりしていた。もう、取り繕うことなんて出来ない。
特に、あと残り20日を切った、今の自分には。
「竜崎・・・、すっごい、熱いよ・・・」
「っん・・・ぁ、あっ・・・!」
夜神月は相変わらず、真っ直ぐに自分を見つめ、
そうして愛してくれていた。
愛している、フリをしていた。
だがそれでも、竜崎は十分に幸せだと感じていたのだ。
だから。
彼の本心を覗くことが、怖かった。
自分が息を引き取る、最期の最後に見せるであろう、勝ち誇ったような笑みを見るのが、
怖かった。
この時ばかりは、竜崎は夜神月がキラでない事を祈った。
ああ、本当に。
自分の心がここまで理解しがたいものだったなんて。
「ねぇ・・・。もう、挿れていい?」
「んっ・・・まだ・・・っ、」
大して解れてもいないのに、男の雄を下肢の入り口に押し当てられ、
恐怖心から竜崎の秘孔はきゅっ、と窄まる。
けれど、疼きは止まらない。
先走りに濡れた楔の先端が、孔の周囲を淫らに濡らしていった。
早く、飲み込みたい。
早く、この灼けそうな程の熱に、支配されたい。
我ながら、情けないと竜崎は思った。
同性にいいように扱われ、性の対象として思われ、犯される。そんな屈辱が、
この上ない程に深い快楽に変わるのだ。
夜神月の、手によって。
「ぁ、っは・・・」
「御免・・・、でも、もう・・・っ」
「っん―――!」
ずるり、と狭い場所を押し開くように侵入してくる、雄。
柔軟さの足りないそこを、半ば無理矢理開かされて、
当然のように下肢が悲鳴を上げた。竜崎は思わず目の前の男の胸元を叩いたが、
もちろん、何の意味もない。
宥めるように、キスが降って来た。
こんなもので苦痛が収まるわけはないのだが、
それでも、甘いキスに夢中になれば、少しは気が紛れる。
意識を男に向けるように、首に巻きつけた腕に力を篭めて、
目を閉じる。ようやく力が抜けた竜崎の身体を、
月は唇を少しだけ歪めて抱き締めた。
そうだ、この男さえ殺せば―――。
たとえ今、アメリカヘ発ったという本部の皆に白分かキラであると知られても、
もう、恐れるものはない。彼らを殺そうと思えば、すぐにできる。
もちろん、そんなヘマをするつもりはない。
上手くLを殺し、彼の仇と称して引き続き本部に居座りキラを追う―――。
そういう形に持っていけるのが、一番いい。
そうなのだ。
今なら、殺せる。
誰もいない今、わざわざデスノートで手間をかけるなんて馬鹿げている。
いっそ、この手で殺してしまえば―――。
無意識のうちに、男の背を抱いていた月の手が、
竜崎の喉元にかけられた。
ほっそりとした首を撫で上げ、そうして唇が這う。
竜崎が仰け反ったすきに、喉笛に歯を立てる。
今ならば、簡単に殺せた。
この指に少し力を篭めるだけで、簡単に―――・・・。
「っ・・・」
だというのに、
どうして、震えるのだろう。
どうして、力が入らないのだろう、己の手は。
月は、そんな自分を誤魔化すように、
竜崎の項に手を這わせ、キスを落とした。
「竜崎、・・・」
「・・・・・・月くん、・・・」
奥深くまで貫かれた身体が、熱かった。
引き裂かれるような痛みは、灼けるような熱へと変わり、
地獄の業火のようなそれは、やがてダイレクトに快楽へと変わる。
だが―――。
(やはり・・・貴方は殺したいんですね・・・)
自分を。
キラとして、己の最大の敵である、"L"を。
隠そうとしていても、首回りを彷徨う腕が、その証拠。
そう、計算高い普段の彼ならば、決して見逃すはずのない絶好の機会なのだから。
竜崎は男の肩口に顔を埋め、そうして月の身体の温もりを追った。
「・・・いいんですよ、月くん」
耳元で。
彼にしか聞こえない声音で、竜崎は囁いた。
月は、動かなかった。けれど、一瞬だけ動揺するように身体を震わせたのを、
竜崎は感じた。それだけで、十分だった。
「殺して下さい。貴方になら、私は殺されても構いません」
挑発するように投げ掛ける、言葉。
だが、竜崎にとって、それは全くの嘘でもない。
どうせ、あと20日しか生きられない命。
命と引き換えに、キラの存在を暴くと誓ったのだ。今ここで彼に殺されるのならば、
構わない。皆、見ているのだ。
夜神月はキラ。どんな形であれ、自分の推理は証明される。
それに―――。
例えば、生き残って、夜神月が傍にいなくなったとして、それから?
それから残りの命、どう生きればいいのか、
自分にはわからない。
「竜崎・・・。馬鹿なことを言うのは、もうやめてくれ」
「・・・・・・っ・・・」
だが、そんな竜崎の淡い望みは、当然月には届かず、
少しの失望を胸に、竜崎は瞳を閉じる。
やはり、今回の作戦は失敗だ。
なかなか月の本心を暴けないことに、竜崎は気づかれないように溜息をついた。
「・・・夜神、月・・・」
「もう、何も考えるな。僕だけを見て、そして感じてくれ」
「っん・・・!」
深く抉られたそこを、更に深く。
既に苦痛を忘れていたそこは、喜んで男の雄を受け入れた。
脳すら融かすような卑猥な水音と、乾いた肌の弾ける音。そして互いの、乱れた吐息。
もう、言葉に意味はなかった。
どうせ、このまま続けていたって、互いの真実は見出せないのだ。
二人とも、もう嘘は聞き飽きていたし、つき飽きてもいた。今、唯一信じられることといえば、
触れ合う部分から伝わる熱、ただそれだけ。
「竜崎、・・・」
「っ・・・は、あ・・・っ・・・!」
両の膝裏を押し上げられ、竜崎はこれ以上ない程の痴態を月の目の前に晒していた。
男の背に隠れて、監視カメラに映らないのがせめてもの救いだった。
隠れるように、竜崎は月の肩にしがみ付く。
それに応じるように、ますます強められる男の腕。
「・・・っ・・・、竜崎、いいか・・・?」
「・・・月、く―――・・・!」
深くまで貫いては、ギリギリまで腰を引いて。
交互に襲い来る充足感と虚無感に、
頭がおかしくなりそうだ。常に制御できていたはずの感情が、
己の意志とは無関係に他人の手で引き摺りだされる瞬間―――。
「っあ・・・も―――、うっ・・・!」
「中に・・・、出してもいい?」
「っ・・・―――」
耳元に唇を落とされて、そのまま激しく重ねられる口づけ。
乱暴としかいいようのない月の責めは、けれど竜崎の欲望を弾けさせるには十分だった。
熱い奔流に、押し上げられる感覚。
最高潮へと達する瞬間、竜崎は指先1ミリすら動かすことができなかった。
痺れるような刺激と共に、
腰の奥にどろりと熱を持った体液が広がるのを感じた。
「っ・・・ぁ、はぁ・・・っ・・・」
「竜崎・・・」
どうすることも出来ないまま、
竜崎は男の腕の中で瞳を閉じた。
もう、何を言う気も起きない。月に対しては去ることながら、
この一部始終を見ていたであろう、捜査本部の面子にも。
その時、アラームが鳴った。
ビルの入り口を映していたモニタに、ワタリに連れられたミサが見えた。
本当は、死神の目を持つミサに、己を晒すつもりだった。
だが、今となっては―――。
「・・・・・・、」
「ここにいろよ。僕がうまく言っておくから」
対策室を出て行く月の背を、竜崎は何も言わずに見送った。
漸く一人きりになった部屋に、鳴り響くのは通信機。
誰からなんて、考えなくともわかる。
脱力した身体を持て余す竜崎は、
始め、ただそれを呆然と見ていただけだったが、
やがて諦めたようにだるい腕を伸ばした。
「・・・・・・はい」
「・・・・・・・・・・・・次の指示を待っている。・・・L」
「・・・・・・」
何も言われないことが、逆に苦痛だった。
だが、かといって、責められるのも辛い。L、と呼ばれたから、尚更。
そう、自分は、L、なのだ。
つかの間の快楽などに、溺れている場合ではない。
キラという凶悪犯罪者を白日の下に晒す、それが使命。
だが、だからこそ―――・・・、
辛い。
「夜神、月・・・」
受話器を元に戻した竜崎は、
再びソファの上で身体を丸め、膝を抱えたのだった。
end.
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