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星蒼圏 - 保管庫モバイル


「秘められた想い」


 「・・・お願い、私と一緒に来て!あなたの・・・貴方の子供が・・・・・!!」
 自分にすがりついて言う女を、クラウドはうざったそうに見やった。
 凍り付いたような冷たい視線に、女は絶句する。
 「・・・・・・くだらないな。せめて子供が欲しいとか泣きついてきたくせに、今度はそれを理由に俺を縛るのか?」
 あざけるような笑みを浮かベて女を玄関の外に押しやると、クラウドは扉を閉めた。
 ドンドンと叩く音も気にせず、オートロックの上にもう1つ錠をかける。
 やれやれと髪をかき上げつつリビングに戻れば、先ほどから家に呼んでいたセフィロスがあきれたように自分を見ていた。
 「・・・相変わらず、女には冷たいんだな」
 さっきまでのようにテーブルを狭んで反対側に座り、飲みかけていたアルコールをロにする。
 「・・・女は、嫌いなんだ」
 「そのわりには、女とばかりつき合ってる気もするが」
 空になった手元のグラスに残る氷を揺らすと、それがカラカラと澄んだ音を立てる。
 その様子を見ながら、クラウドはロを開いた。
 「本命はいるからね。他人とのSEXなんて性欲処理以外の何ものでもないだろ?そういう意味じゃ、女は扱いやすいし」
 「フン・・・お前に関わった女達はつくづく哀れなものだ」
 「関わるほうが悪い」
 人の悪い笑みを浮かベるクラウドは、先ほど女を追い返した玄関を見やった。
 「・・・女は、誘えばほいほいついてくるくせに後腐ればかりだし、何かあればすぐそれをネタに男を脅迫してくるし。俺、縛られるのって何より嫌なんだよね。その点・・・・・・」
 振り向いて、目の前の存在の顔を覗き込む。
 宝石のような碧く美しい瞳を、クラウドは熱心に見つめた。
 「・・・あんたはいい。女みたいに泣いてすがったりしないし、子供なんか関係ないし、その上俺が誘ったってなびきやしない」
 じっと見つめるクラウドの視線をさりげなくそらすと、セフィロスはまた自分のグラスにアルコールを注いだ。
 「そういう話をしに来たんじゃない」
 「そんなこと言うなよ。俺とあんたが合う話題なんて、これっぽっちもないだろ」
 「そうか。ならこれで失礼する」
 今にも立ち上がりそうなセフィロスをあわてて押しとどめると、クラウドは苦笑した。
 「相変わらずつれない奴だな、あんたは。ま、とにかく、俺はあんたを愛してるからさ、乗り換えたくなったらいつでも歓迎するよ」
 「・・・考えておく」
 別にセフィロスが誰とも付き合っていないことを知っていて、クラウドはそう言う。
 だから、自分もまた考えておく、などと曖昧な言い方をするのだ。
 「それよりさ、明日・・・休みだろ?」
 「まぁな」
 何が言いたい、とセフィロスは怪訝そうな目を向けた。
 「泊まっていかないか?」
 泊まっていく、とは当然それだけの意味ではない。
 それを容易に察したセフィロスは、内心どう思ったかわからないがいつもの無表情で答えた。
 「・・・・・・またオレの中でお前の評価が下がるぞ」
 「んー。わかってる。でもそのくらいまたどっかで上げるよ」
 真剣な顔をして見上げてくるクラウドに、セフィロスは深いため息をついた。
 テーブルの上のグラスを一気にあおり、ソファの背に体を預ける。
 「・・・・・・好きにしろ」
 「はっ!ありがとうございますっ!」
 神羅軍お決まりの敬礼をして、クラウドはテーブルの上を片付けに台所へと行った。
 そして、かすかにコップを洗う水の音。
 そのくらい放っておけばいいと思うのだが、意外ときちんとした性格なのか、食事も自分でこなし、部屋の中も小綺麗に整理されている。
 確かに、世話を焼いてくれる女の存在など必要ないのかもしれない。
 そんなことをぼんやりと考えている間に、クラウドはさっさと着替えてバスルームへと消えていた。
 「そうだ。セフィロス、あんた俺がシャワー浴びてる間に逃亡するなよな」
 そんな台詞を残して、バスルームからは湯気と水の音が聞こえてくる。
 1人残されたセフィロスは、上着のポケットから煙草をくわえた。
 ・・・・・・・・・逃げるわけがない。
 ライターで火を点し、煙を吐き出せば、舌に感じる苦みと共に酔い気味の頭がはっきりしてくるような気がした。
 もともと煙草など吸わないセフィロスは、火をつけてもすぐにもみ消してしまう。
 けれど、最近は、クラウドと同じ銘柄の煙草を持ち歩くようになった。
 勿論、クラウドの気を引くためだ。
 (相当の重症だな・・・・・・オレも・・・)
 クラウドはああ言っていたが、彼が軽くあしらうのは女だけではない。
 女だろうと男だろうと、手に入れれば捨てていく、その繰り返しだ。
 一度気をひけば、どんなに苦労をしようとも手に入れる。
 そして、やっと相手が本気になったところで、容赦なく捨てていくのだ。
 実際、クラウドと付き合う人間で1ヶ月続く者はいないに等しかった。
 そんなクラウドが、自分に向かって「愛してる」と言ってくれる。
 あんただけが本命だ、とささやく。
 嬉しくないわけがない。
 誰もが自分を怖れて避ける中、彼の愛の言葉は自分にとって魔法のように惹かれるものだった。
 でも、多分、
 その誘いに乗ってしまえば、自分もクラウドに捨てられたたくさんの者達と同じように、
 一月もしないうちに捨てられてしまうのだろう。
 そうなってしまうのは、どうしても耐えられなかった。
 「セフィロス、あんたも入りなよ」
 首だけ出して、クラウドがソファでぼーっとしているセフィロスに呼びかける。
 思わず言いそうになった肯定の言葉を呑み込んで、
 「・・・なんでオレがお前と入らなきゃいけないんだ?!」
 偽りの怒気をはらんだ声で言う。
 そう、全ては、嘘。
 クラウドの誘いにだってすぐに乗りそうになる。
 泣いてすがりたくなるほどクラウドが欲しい。
 でもそれを見せれば、多分終りだから。
 「わかったわかった。もう俺あがるからさ、あんたも入れよ」
 「・・・ああ」
 今ほど、幸せな時はないだろう。
 今はクラウドが自分を見てくれている。
 けれど臆病な自分は、クラウドがいつか自分に愛想を尽かしてしまうのではと不安になる。
 それでも、クラウドに自分の気持ちを伝えれば、釣った魚にエサがいらないように、自分も愛されなくなるのだろう。
 だから、せめて。
 クラウドと共に居ることへの歓喜を隠して、いつもつれないようなフリをする。
 それが、クラウドとの繋がりを保つためなのだと、セフィロスは納得しない心を強引にねじ伏せていた。
 「・・・ほら、着替え。ったく、背の高いあんたに合う服なんて俺あんま持ってないんだからさ、今度泊まる時は自分で持ってこいよな」
 差し出された夜着を受け取り、さっさとバスルームへ向かう。
 「・・・・・・お前が無理矢理泊めさせているくせに、文句言うな」
 「・・・そのわりには嬉しそうですが」
 「何か言ったか?」 
 「いや、何も」
 ごまかしてひらひらと手を振ると、セフィロスは無表情でクラウドを一瞥して中へと消えていった。
 (全く・・・本当につれないんだから)
 少し寂しそうに笑って、クラウドは先ほどまでセフィロスの座っていたソファに腰を下ろす。
 濡れた髪をタオルで乾かしていると、ふとテーブルの真ん中に置いてある灰皿が目に入った。
 あまり煙草を好まないセフィロスの前では、自分は吸わないように心掛けている。
 それなのに、煙草の吸い殻が灰皿に残っているのを見て、クラウドは驚いていた。
 「・・・あんたでも、煙草吸うことあるんだ」
 バスルームの中が見えないように加工されたガラス越しに、セフィロスに声をかける。
 始めはザァザァと声をもかき消すようなシャワーの音が聞こえていたが、クラウドに気付いたのかコックをひねる音がして、水流が緩められた。
 「・・・なんだ」
 「いや、あんたでも煙草吸うんだなぁと思って。確か嫌だとか言ってなかった?」
 ボディソープをつけているのだろう、ゴシゴシとスポンジで体を擦る音と共に石鹸の香りがバスルームから洩れ出している。
 「・・・オレだって、吸いたくなる時もある。いちいち言うな」
 「ふうん。じゃあ今は煙草吸いたい気分なんだ?」
 再び激しい水流の音がする。
 沈黙しているセフィロスの後ろ姿をガラス越しに見やって、クラウドはからかうように笑った。
 許可も得ずに中に入り、セフィロスが振り向く前に背後から抱き蹄める。
 「・・・っ!!」
 予期しない事態に、セフィロスの体が一瞬強張る。
 背中に触れる暖かな感触が自分の中を侵食していく感覚に、セフィロスは唇を噛んだ。
 「・・・なんのつもりだ」
 それには答えず、腕に抱く存在の滑らかな肌を手のひらで辿る。
 「あんた、随分、荒んでるだろ」
 「・・・・・・別に」
 プイと横を向いてクラウドから逃れようとする体を押し留める。
 きちんと締め切っていなかったシャワーを止めると、後は湯気と2人の吐息だけがその場に残った。
 「普段煙草吸わない奴が吸い始める時って、絶対そういう時だもんね。かくいう俺もそうだったし」
 「だから・・・・・・どういうつもりだ!」
 セフィロスが声を荒げた途端、クラウドは強引に肩を掴み、セフィロスを自分の方に向かせた。
 そのまま後ろに押しやれば、バスルームの壁にセフィロスの背があたる。
 「んー。荒んでるあんたを慰めてやろうかな、って」
 「お前に慰められるほど、オレは人生捨ててない」
 「うわ。ひどくない?それ」
 そっぽを向いたセフィロスの顎を指先でつかみ、無理矢理自分の方に向かせる。
 鮮やかな碧の瞳をのぞき込むと、少し脅えたような色がその瞳に映っていた。
 「・・・素直になれよ。溜まってるんだろ?」
 「溜まってなぞいない」
 「あっそ。じゃあ誰かとヤってんだ」
 見下すようなロ調と表情。
 一瞬冷たくなった空気に、セフィロスは身震いした。
 クラウドを怒らせてしまったのではと思う内心を悟られまいと必死に押し隠す。
 硬直したセフィロスの頭を憮でると、クラウドは一瞬前とはあまりにかけ離れた柔らかな笑みを浮かべた。
 少し哀しみをにじませたような、甘い瞳。
 「・・・・・・そんなにムキになるなよ。・・・俺を、道具だとでも思えばいい。それで俺が悦んでるんだからさ、あんたも俺を存分に利用すればいいんだ」
 歌うようにそう言い、声も出せずに凝視するセフィロスの頬のラインを指先でたどり、唇に触れる。
 「・・・・・・キス、してもいい?」
 「・・・嫌だと言っても、するんだろう」
 「まぁ、ね」
 目線を合わせて、クラウドを睨みつける。
 「・・・オレは、お前のその強引な所が大嫌いだ」
 「・・・ごめん」
 小さな謝罪の言葉と共に重ねられる暖かな感触。
 何度も角度を変えるたびに深さを増していくロ付けに、セフィロスは脱力したように成すがままになっていた。
 霞んだ頭の中で、考えることといえば一つだけ。
 このまま、目の前の存在に自分の全てを預けられたなら、どんなに幸せだろう。
 湯気の充満したバスルームでの行為に苦しげに喘ぎながら、それでもセフィロスはクラウドから与えられる愛撫に身を任せていた。










 セフィロスは、立ったままクラウドの愛撫を受け入れていた。
 片方をバスタブの端に上げ、ともすれば落ちそうになる腰を手で支えて、クラウドはセフィロスの中心で熱を放つそれを口に含む。
 「く・・ふっ・・・・・・ん・・・」
 クラウドが動くほどに、セフィロスの口元からは甘い吐息が洩れてくる。
 耳に聞こえてくるそれに心地良さを感じながら、一旦喉の奥まで飲み込み、唇の裏側の柔らかな部位でセフィロス自身を刺激する。
 上下に擦る度に容量を増してくるセフィロスが愛しくて、より激しく舐め上げれば、上から腕が伸びてきて自分の髪を握り締めた。
 「クラ・・・ウド・・・・・・や、めろ・・・・・・」
 口でそう言うわりには、震える指先はクラウドを離そうとしているのか離さないようにしているのかわからない動きをしている。
 セフィロスの、頭と体との欲求のギャップにクラウドは苦笑しつつ、舌で先端の割れ目をなぞり上げた。
 「・・・っあ・・・っ・・・」
 思わず、といった風に上から振る声と、舌に感じる苦いような甘いようなセフィロスの味。
 それらを存分に楽しみながら、そろそろ限界を訴え震える自身の根元に指を絡ませた。
 熱い指の抱擁と、口内の湿った温かさに翻弄され、抑え切れない嬌声がセフィロスのロ元から上がる。
 「んやっ・・・・ク、ラ・・・ウド・・・・・・も、立ってられな・・・っ・・・」
 左足1本だけでこの状態の体を支えるのはさすがにつらいのか、セフィロスの膝ががくがくと震える。
 だが、クラウドはセフィロスの懇願も耳を貸さず、ただ黙って亀頭を甘噛みし、仕上げとばかりに先端をきつく吸い上げた。
 「ふ・・・あ―――っ・・・ああっ!!」
 強烈な刺激に耐え切れず、セフィロスはクラウドの口中に吐精した。
 喉の奥に叩きつけるように放たれたそれを、クラウドはうっとりと嚥下する。
 口を離した途端、ガクリと床に折れそうになるセフィロスの体を支えてやると、クラウドは微かに笑った。
 「気持ちよかっただろ?」
 荒く息を吐いて目を閉じるセフィロスに囁き、赤く染まった唇に自分のそれを重ねる。
 クラウドの舌に残る自分の精の苦みに顔をしかめ、首を動かして逃れようとするが、どこまでもついてくるクラウドの唇にセフィロスは翻弄されていた。
 「んっ・・・・・・や・・・」
 キスをしたまま、クラウドの手のひらがゆっくりと下に降りてくる。
 焦らすように脇腹を憮で、柔らかな茂みをさらりと抜け、先刻の熱の余韻に浸るそれにかすめるように触れ。
 到達した先にある、ひくひくと収縮するそこを憮でると、セフィロスの体がぴくりと震えた。
 「ん・・・・・。」
 耳元で聞こえる、かすかな吐息。
 それを合図に、クラウドが指を突き立てる。
 自分が飲み切れずにセフィロス自身から溢れた精液と、自分で濡らした唾液を指に絡ませ、馴染ませるように蕾をほぐしてやれば、後ろからの刺激に感じたのか一度放出したセフィロス自身もまた頭をもたげ始めていた。
 「見ろよ・・・キレイだぜ・・・・・・」
 「やっ・・・・・!!」
 セフィロスの体を反転させ、壁に手を付かせれば、セフィロスの目に自身の映った鏡が見える。
 バスルームでイスに座った時に胸から上が映るようにしつらえられたそれは、ちょうどセフィロスの下肢の辺りだけを克明に映し出し、いやらしいほどだ。
 その状態のままでクラウドがセフィロスの前を愛撫すれば、手のひらに包まれた彼自身がびくびくとうごめき、先ほどと同じ堅さにまで成長する。
 それを目の当たりにしたセフィロスは、クラウドに抱かれ、その愛撫に自分が感じていることを意識し、更に体温を上昇させた。
 「なあ・・・・・・」
 クラウドが、セフィロスの双丘を押し広げながら呼びかける。
 「んは・・・っ・・・な、んだ・・・?」
 ザラついた舌で秘部を舐め上げられ、喘ぎと共にクラウドに反応する。
 そのまま濡れた舌が中へと侵入し、セフィロスは壁に額を押し付けて目を閉じた。
 「あんた、俺のことキライなんだろ?」
 「ん?・・・ああ・・・」
 奥まで充分に濡らされたそこは、クラウドの挿し入れた指を奥深くに導いていく。
 一度貫いただけで堅い部分に到達し、セフィロスは身を震わせた。
 「なのに、なんでこんなに感じてるんだよ」
 クラウドに尋かれ、セフィロスは自嘲の笑みを微かに浮かべてロの中だけで答えてみた。
 ・・・当然だ。
 ・・・オレが欲しいのは、お前だけだから。
 どんなに頭で抵抗してみても、体の欲求には逆らえない。
 だから、嫌だと言っていても、体だけは素直に反応してしまう。
 全く、想い人の傍にいる為に、想いを伝えないなどという矛盾があるなんて。
 だから、クラウド、お前のせいだ、などと言いたくなる。
 「・・・・・・お前が巧いから、だ」
 「じゃあ何?英雄様は俺のテクに惚れてるってワケ?」
 一度抜いて、指の本数を増やして再度中に押し入れる。
 今度は激しく出し入れを繰り返し、液体の弾ける音がバスルーム中に響き渡るまで。
 ふと冷たい感触が伝わりセフィロスが荒く息を吐いたまま目を開ければ、自身が鏡に挟まれ、溢れた先走りの液が鏡を濡らしていた。
 「んあっ・・・・・・そうかも、な」
 「・・・ふうん」
 納得したようなしないような表情で、クラウドは立ち上がる。
 シャワーで濡れたのと、自身の汗とで全身を湿らせる体を、背後から抱きしめた。
 「じゃ、あんたとこうしてるのは、OK?」
 耳元で囁かれ、熱い吐息と濡れた舌に思わず身震いする。
 居てくれないと、気が狂うかもな・・・・・・とか、心の中で呟く。
 「うぬぼれるな。オレがお前に抱かれてやってるのはお前が駄々をこねるからだ。オレはお前ほど性欲旺盛じゃない」
 「・・・じゃあ、駄々をこねたらいつも何度でも??」
 「煩わしいと思えば、容赦なく切る」
 「・・・・・・気をつけます、セフィロス殿」
 さりげなく敬語を使ってくるクラウドに、セフィロスはぼんやりと考えていた。
 ・・・いつまで、続くのだかな・・・
 いつか、クラウドが自分に執着して来ない日が来るだろう。
 それを考えると、こんな、嘘ばかり付いてる自分がばかばかしくなってくる。
 切られることを怖れ、切る、と言う自分。
 自分の優位さを誇示しておいて、本当に優位なのはクラウドだ。
 紛れもなく、自分がクラウドに執着しているのだから。
 不意に耳たぶを甘噛みされ、セフィロスは現実に引き戻された。
 「・・・っあ・・・」
 熱くそそり立った自身を奥にあてがわれ、何も考えられなくなる。
 数瞬後の快楽に、心が捕われる。
 「それでも・・・、俺、あんたのこと好きだから。・・・忘れないで」
 せつなげな言葉と共に、訪れる熱い感触。
 自分の中を押し広げていく、異常なほどの圧迫感。
 それら全てが、セフィロスを犯し、そして狂わせていく。
 ただ、巧いからといって、こんなに感じることはあるまい。
 クラウドだからこそ、与えられる感覚。
 「うあ・・・っ・・・はっ・・・い、いい・・・っ・・・」
 思わず、素直な言葉が洩れる。
 それが、心も体も全て自分を抱く存在に預けたことを意味することを、クラウドは気付いているだろうか?
 鏡を濡らす快楽の証に、クラウドは気付いているのだろうか?
 クラウド、お前の熱い楔が、こんなにオレを狂わせ、乱れさせているんだ・・・
 「セフィロス・・・」
 呼ばれるままに、首を傾ける。
 クラウドの体が背中にぴったりと密着し、そのままキスを渡される。
 クラウドの想いそのままのキスは、甘く、どこか懐かしくて、セフィロスは初めてクラウドに抱かれた時のことを思いだした。
 確かに、合意の上での交わりではなかった。
 強引に押し開かれた体は、今でもその苦痛を覚えている。
 でも多分。
 キスだけは、甘かった。
 あの時も、自分は心でクラウドを求めていただろうから。
 クラウドは、セフィロスの腰を掴んでいた手を離すと、背が折れるほどきつく、抱き締めた。
 「・・・愛してる・・・・・・」
 クラウドの囁きが、深く、全身に浸透していく。
 どうして、この言葉を聞く度に、自分はこんなにも幸せな気持ちになれるのだろう。
 いつかは失う甘やかでせつない快楽に、セフィロスは涙を流した。




 このまま、命が終わってしまえばいい。
 お前を待ちわびている日々なんて、・・・いらない。
 だから、・・・・・・・・・
 あぁ、クラウド、・・・殺してくれ。
 このまま、お前だけをずっと感じていられるように―――――。





end.