女性向二次創作サイト
星蒼圏 - 保管庫モバイル
遠距離
子供達も離れで寝静まった深夜。
教会の小部屋で鳴りつづける電話に、賀来は顔をしかめた。
こんな時間にかけてくる相手など、一人しかいない。結城美智雄。LA新世紀銀行に勤める、エリート銀行員。
神父と銀行員、何の接点もない気がする二人だが、
彼らには切っても切れない運命的ともいえる絆が存在していた。
MWの存在ーーー。それが彼らの繋がりを物語っている。
「・・・もしもし」
「ああ、神父さん?・・・今、なにしてる?」
案の定、結城の声だった。
幾分か上気したような彼の声音。珍しく機嫌がいいのだろうか?
別に、教会にいるのだから、こちらはたいしたことなどしていない。
今、眠るところだ、と簡単に告げると、
「じゃ、俺は今、何してると思う?」
からかうような声音。
賀来は眉を潜めながらも、電話口に耳を澄ます。
微かにハァハァと荒い息。もしかして、発作でも起きたのだろうか?
よく、かれは意地を張って苦しいくせに無茶をしたりする。
それを無理してからかっているのだとしたら。
「今、どこにいる?」
「あんたが駆け付けられないトコロ。」
海外だよ、と笑われて絶句する。
知らなかった。海外に出張など、何も聞いていない。
それでは、万一彼が倒れても、自分はなにもできないではないか!
不安げな空気を電話越しからも感じたのか、
結城は不意に笑い声をあげた。
「何勝手に勘違いしてンだよ?・・・俺が今シてるのはさ・・・」
突然、電話口から濡れた音が響いた。
くちゅりと糸を引くような粘着質な音と、水が弾けるような音、そしてせわしない吐息。
時折、ぁ、ぁ、と甘い声音が聞こえて来て、
賀来は唐突にその音の原因を理解し、途端に頬を染めた。
「っゆ、結城っっ!」
「ああ・・・賀来、も、っと・・・!」
ハァハァと熱い吐息がひっきりなしに聞こえてくる。恐らくは片手で携帯電話を握ったまま、開いているほうの手で己を慰めているのだろう。
その姿を想像して、不覚にも背筋が震えた。
甘い、甘えるような声音。
今にも、彼の腕が己の首に絡みついてきそうだ。
そっと賀来は己の衣服の下から隠された場所を探った。
・・・力を持ちはじめている。
「っね・・・賀来・・・もっと、激しくっ、コスッてよ・・・」
「っば、馬鹿なことを言うのはやめろ!」
「なに、いってんだよ。あんただって、さ・・・ホラ」
触ってみろよ、と囁かれて、
無意識のうちに掌が己の微かに疼く欲を捕らえてしまっていた。
己の雄の興奮していることに気づいた賀来は、思わず息を詰めてしまう。
それをしっかりと聞いていた結城は、ハハハッと声をあげて笑った。
「なんだよ・・・あんたも、もう、そんなに、してんじゃん」
息の上がった吐息が、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
賀来は、咄嗟に口元を抑えた。
恥ずかしいというより、情けない。
電話口で少し結城の声に惑わされただけで、己の身体はこれほどまでに反応を示すのか。
欲深で、不貞で、悪魔の声音に簡単に籠絡されてしまう己。
神は、きっとこんな信徒を御許しにならないだろう。
「ち、違う、これは・・・」
「俺に、コーフンしてんだろ?イかせてやるよ、オレが」
「や、やめ・・・っ!」
ちゅっと吸い付くような音がひどく耳元で聞こえてきて、
賀来は思わず耳元から受話器を離してしまった。
切ろうかとすら思うが、
電話の先で、結城は「切ったら殺す」と念を押してくるものだから、
賀来は唇を噛み締め、既に頭を擡げ始めた己を慰め始めた。
一度芽生えてしまった欲を抑えられる程、
賀来はできた人間ではなかった。
「っ・・・結、城っ・・・」
「いいぜ、賀来・・・もっと、くれよ、あんたを・・・」
「結城っ・・・もう、やめろっ・・・」
賀来の静止の言葉など耳を貸さず、
結城は半分目を閉じて、更に己を扱く手を強めていく。
電話越しで賀来の、こちらも幾分かは息があがっているのを感じて、
口元だけでにやりと笑う。
ふかふかしたソファに身体を埋め、バスローブ姿のまま足を大きく開かせたままの恰好で
己を慰めていた結城は、
携帯の音声をハンズフリーに変え、テーブルに置くと、
不意に毛足の長いソファーに転がっているワイン瓶に目をやった。
先ほど、己が空にしたワイン。
衝動的にそれを手に取り、口の部分を舌で舐める。
ガラスは冷たかったが、それでも結城は顔を顰めながらも、次第にボルテージを上げていった。
ぴちゃぴちゃと唾液を絡ませて、口内に含んでは砲身を舐め上げる。
苦しいほどに呑みこむと、喉がひうっと鳴った。
電話口から、息を荒げながらも、心配そうに己の名を呼ぶ男の声がしていた。
瞳を閉じる。
己が今口に含んでいるのは、あの男のモノだ。
そう念じて舌を絡ませると、ぞくりと身体が震えた。
下肢の奥で、男が欲しいと欲望が渦巻いている。
「が、らい・・・っ・・・後ろに、欲しいんだ・・・ねぇ、お願い・・・」
「っ・・・結城・・・、おれだって・・・」
お前のナカに、入れたい、と囁かれて、
結城の身体が先ほどよりも激しい衝動に揺れた。
ぞくぞくする。
欲しくてたまらないのだ。
あの男から離れれば離れるほどに、己の身体はあの男を求めてしまう。
身体の飢えや渇きに耐え兼ねて、
手近な男に身を寄せたり、女を抱いたこともある。
だが、それでは駄目だ。
この男でなければ。
賀来でなければ、この渇いたままの身体を潤すことなどできない。
「あ、ああっ・・・賀来・・・来て・・・」
「結城・・・ゆうきっ・・・」
ズプリ、と音がして、賀来の耳にも厭らしいそれが聞こえてきた。
己が欲しいと口にはしていても、こんな離れた場所で、自分が彼を抱けるわけがない。
だから、結城の内部に入り込んだモノは、賀来ではなかった。
けれど、結城は瞳を閉じて、その硬い瓶の口を賀来のものだと信じ込む。
すると、簡単にそれを受け入れた内部は、
悦ぶように収縮し、賀来のモノではないそれにきつく絡みついた。
淫らな身体。けれど、そもそもこんなカラダにしたのは他ならぬ賀来だから、
どうしようもない。
見せつけるように、携帯のすぐ傍で四つん這いになり、
顔をソファに埋め、片手で瓶を揺らした。
ぐちゅぐちゅとイヤらしい音が、携帯ごしに賀来にも伝わってくる。
そうされては、男も、己の手を激しくするほかなかった。
狭い結城の内部を想像して、
嫌でも興奮を隠せない。唇を開けて、熱い吐息を何度も吐くと、
唇がすぐに乾く。舌で濡らし、そうして更に激しく己の先端を擦り、そうして先走りを絡める。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が、結城の耳にも届いた。
それを聞き、少しだけ安堵したように表情を緩める結城は、
そのまま恍惚とした顔でガラス瓶が内部を犯す感触を愉しむ。
絶頂は、簡単に訪れた。
賀来の、己の名を呼ぶ声音は、最高に気持ちがイイ。
だから、賀来の声が、もう限界だと感じた瞬間、
こちらもまた、イイ所を擦る強さを限界まで強めた。あっけなく、解放は訪れた。
「ア、ア、ぁあ、がらいっ・・・も、いくっ・・・」
「結城っ・・・俺も、いいか・・・?」
「んっ・・・来て・・・!」
「っく・・・!」
ぱあんと頭の奥で音がして、
ほぼ同時に二人は己の欲望を解放させた。
賀来は己の手の中をべっとりと白濁で汚し、結城はふかふかと柔らかなソファに放つ。
これが革張りでよかったとふと、冷静なことを考えた。
一応、仕事の出張で海外のホテルを取っている。
さすがに、下手なことはできない。
「ん・・・はぁ・・・賀来・・・よかったぜ・・・」
「・・・結城・・・」
あがった息のまま、ちゅ、と軽いキスの音を立てて、
結城は口の端を持ち上げた。
賀来もまた、吐き出したことで力の抜けた身体を持て余し、
背を壁に凭れて、ずるずると床にしゃがみこむ。
べっとりと指に絡んだ己の精に、
賀来は信じられない、と言った風に首を振った。
ああ、なんということだろう。
自分が結城の声だけですら、ここまで感じることができるのか。
「ちょっと、冷たかったけどな。首は長いから、奥の奥まで貫けてサイコーだった」
「っ・・・」
サイコーだった、と言う部分で、
賀来は無意識に眉を寄せる。
ずるりと音を立てて結城の内部から引き出されるモノは、
明らかに無機質なガラス瓶。
ああ、彼の傍にいられたら、間違いなく自分は、彼の身体に惑わされ、
彼の身体を貪っていただろう。
そう思うと、再び身体の奥が疼いた。
もっと、結城が啼く姿や、乱れた姿を見てみたかった。
けれど、今は叶わないことだらけだ。
「帰ったら、とりあえずそっちに寄るぜ」
「・・・わかった」
「やっぱ、生身のあんたがいいな。あんたのソレで、おれの中を満たすんだ」
その方が、この飢えを誤魔化すには丁度いいんだ、と
耳元で囁く結城に、
賀来は再び憂鬱な気分に陥る。
飢え。
結城はよく、己の心を『飢えている』と表する。
殺人を犯すのも、罪深き者の血を浴び続けてるのも、
その飢えを満たすためだ。
2日と開けず身体を関係を要求するのも、他の人間と関係を持つのも、
その飢えを満たすためだと何度も聞いた。
では、一体、彼は、
どこまで満たせばその飢えを収めることができるのだろう?
MWのせいですっぽりと抜け落ちた心の穴に、
何を満たしてやりさえすれば、
元に戻れる?
「やっぱ・・・あんた、かな?」
からかうように告げる結城に、
やれやれと賀来はため息をつくのだった。
end.
受話器を結城のアソコに突っ込もうかとも考えた。
レジで妄想して吹いた。
ああ鬼畜な奴ですみません。
[top]