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誕生日には花束を





「ん。」

ばさ、と手元に渡されたそれに、暮人は眉を寄せた。

「なんだ、これは?」

真っ赤な薔薇だけをあしらった花束。それも、何本あるか傍目ではわからない位の量。
そもそも今日は暮人は非番で、自室で篭って読書をしていた。
毎年そうだ。この日だけは、極力1人の時間を取る様にしている。騒々しいのは嫌いだった。
ただでさえ、幼い頃からこの日は自分への訪問者が増え、
その度にうんざりとした内心を隠し、体面を保たねばならなかったのだから。
だが、なぜこいつは。
この男は、自分が部屋に閉じ篭っていると知っていて、だというのに遠慮もなくずかずかと入り込んでくるのだろう。

「入るなと言われなかったのか?」
「言われたよ。お前の従者にさ。書類やアポはすべて彼女を通せって。だから」

だから来てやったんだ、感謝しろよ。
そうにやにやと告げるグレンに、暮人は顔を顰める。
今日は暮人の誕生日だった。もちろん、別にその日付に意味を求めているわけではないし、
特に感慨深いと思っているわけでもない。本気で祝ってくるような生易しい関係の相手もいなかった。
けれど、社交辞令だけは止まない。
柊家に媚びる者たちは、こちらがどんなに拒否しようと、感情の篭らない祝いの品を並べてくるのだから、
相手をすること自体が億劫で。
だから、最近は従者に間を取り持つよう頼んでいたはずだった。

「お前さ、誕生日だろ?なんでこんな辛気臭いとこに篭ってんだよ」
「別に、たまたま非番なだけだ」
「嘘だね。毎年取ってんだろ、休み。てっきりどこかへ行くのかと思って張り込んでたら、
 お前全然出てこないからなぁ。勝手に入ってみた。」

確かに、一人喧騒から離れた場所に足を運んだ時もあったが、
世界が崩壊してからというもの、そんな落ち着いた時間など大して取ることもできず。
今日くらいは、誰とも顔を合わせたくなかった。
年度末で、いろいろ仕事は溜まっているのだろうけれど。
だが、そうだというのに、今、一番面倒な相手が、こうして身勝手にも自分の部屋に入り込んできているのである。

「・・・やっぱ似合うな」
「は?」
「その色。お前には薔薇の花が良く似合う」

腰かけたままの自分を覗き込んでくるグレンの、存外に真摯な声音に、少し戸惑う。
その瞳の色は赤い。
鬼だった。鬼のグレン。普段の彼よりも、よほど感情をあからさまにしてくる彼は、
目の前の深紅の薔薇と同じ色合いをしている。
暮人は、もう一度自分の腕に乗せられた花束を見やった。
片手で持てないほどの沢山の薔薇を両腕で抱える。持ち上げると、それはずしりと重い。
立ち上る薔薇の芳醇な香り。そもそも花を愛でるような性質ではなかったし、
柊のパーティーでも花を贈ることはあっても貰う事はない。だからこれは不意打ちだった。
プレゼントをもらうことも、それがこんな花束だということも。

「・・・嫌いじゃない」
「だろ?」
「ああ。悪くない香りだ」

だが、飾る場所がない、と真面目に告げる暮人に、グレンは嗤う。
なんだよ?そこまで喜んでくれるとは思わなかったな。揶揄うような声音に、暮人は微かに頬を赤らめる。
恥ずかしさに顔に熱が上るのを抑えられずに、暮人は花束に顔を埋めてしまう。
ソファの背もたれ越しに覗き込むグレンは、愉し気に口の端を持ち上げて、掌を男の頬に寄せる。
思わず身体を竦ませる彼のなだらかな輪郭をなぞり、そうして頤を持ち上げた。
唇は既にしっとりと濡れている。先ほどまで口にしていた、好物の紅茶のせいだろうか。
恥ずかしがって逃げそうになる暮人の身体を抑え込んで、視線を絡めた。
そうして、そのまま身体を傾ける。唇が重なる。グレンの唇は容赦なくじっとりと濡れた舌で暮人のそれを舐め上げた。
簡単に歯列が緩む彼の口内を侵し、そうして怯える舌を捕らえ、絡ませる。
体液を流し込みながら、時折、ぢゅ、と強く音を立てて、
舌を吸い上げる。ぞくりと、暮人の身体が隠せない程に震えた。
思わず、ぎゅ、と革で出来たソファを握り込むようにして爪を立ててしまう。
何度、こんな行為をしていても、なかなか慣れない暮人の身体は、グレンをひどく楽しませてくれる。
可愛いぜ、お前。グレンがそう囁いて再び唇を啄んでくる。
顔を背けて、なんとか暮人はグレンの拘束から逃れた。
頬が既に真っ赤なのは、もはや隠しようがなかった。

「やめろ・・・俺に、触るな」
「なんだよ・・・今更だろ?俺はお前のすべてを知ってる」
「っ」

グレンの腕が、暮人の首に絡みついてくる。べろりと耳が舐められ、背筋に這い上がる快感。
身体を捩ろうとしたが、もちろん舌の愛撫が止まることはなく、
それ以上に、グレンの指先が暮人の襟元を緩めてくる。室内であるから、軍服の上着は着ておらず。
シャツ1枚、暮人の肌が簡単に暴かれた。首筋を撫でていた掌が、するりと胸元の合わせ目に入り込む。
腹の辺りまでくすぐる様に指先を這わせると、暮人はのけ反ったまま、はぁ、と熱い吐息を漏らした。
日に焼けない部分の白い肌が露わになる。
耳を食むように何度も甘噛みしては、窪みに舌を差し入れて舐めていく。
ぴちゃぴちゃと、耳の間近で聞こえる卑猥な音に、暮人の下肢が震えた。

グレンの言葉は、悔しいが事実で。
何度彼の前で、自分の全てを晒してきたか。最初は不本意だったそれも、
今では快楽にとって代わられている。それどころか、いつになく抵抗できない自分自身を感じていた。
立ちこめる薔薇の香り。甘ったるいようでいて、気品がある、優雅な香りだった。
いつもなら、他人の匂いにはひどく敏感だというのに。
毒や毒ガスを警戒するための訓練を受けてきたせいか、匂いのあるものには抵抗があるはずなのに、
香水の様にきつい香りが充満しているのに、それがちっとも嫌じゃない。
それどころか、ひどく興奮した。
触れるだけのグレンの愛撫に、けれどひどく感じてしまう。
指先が、己の胸元を撫でていて、時折、つん、と立ち上がった暮人の乳首を抓む。
ンっ、と、声が漏れてしまった。
グレンの指先は、容赦なくそこを摘み上げては、ぐりぐりと押しつぶすように刺激する。
見えなくなると、今度は周囲から挟み込むようにして勃起させる。暮人はぎゅ、と目を瞑った。
既に彼の乳首は赤く腫れ上がり、先ほどまでの小振りなそれよりかなり大きくなっている。
両の指先でぐりぐりと爪先で刺激しながら、グレンの唇は嬲っていた耳殻から首筋へと降りてきた。
濡れた道を作りながら、何度もキスをして、そうして時折強く吸い上げた。
ぢゅ、と音がして、ほんのりと色づく肌、所有印のように痕を残すそこを、グレンは愉し気に舌でなぞる。
すぐに消えるものとはいえ、暮人は身を捩った。

「んっ・・・やめ、グレン、」
「なんだよ、悦んでるくせに。それとも、ちゃんとベッドでしたいって?」
「っば・・・!」

カッと顔を赤らめる暮人、グレンは、はは、と笑う。
だが、もう既に、身体は十分に火照っていた。まだ、朝の、昼も回っていない時間。
カーテンは申し訳程度に開けているだけだから、そこまで日差しは入ってきていないとはいえ、
それでも部屋の中は充分に明るい。
こんな状況で、今から彼に翻弄される時間が始まるのかと思うと、
すでに暗澹たる気分だ。
ましてや、自分が本当に嫌がっているわけではない、という部分が、一番厄介なところで。

「ベッドに行くか?それとも先に風呂でも入るか?」
「・・・・・・勝手にしろ」
「っは、じゃあ、そうさせて貰おうかな。―――来いよ」

暮人の腕を強引に引いて、ソファから立ち上がらせた。
一緒に花束を掴んで、そうして暮人の部屋の奥、広い造りの寝室に向かう。
顔を背ける彼を後目に、グレンは嬉々として暮人をベッドの端に座らせると、
彼の目の前で花束の薔薇をぐしゃり、と握りつぶす。

「っな・・・!」
「どうせ、お前は飾らねぇだろ?それに、どうせ花なんかいずれ枯れる。
 一番美しい姿のままで、美しく散らせたい・・・どうだ?」

グレンは握りつぶした薔薇の花びらを、ベッドに放った。
白いシーツを、色鮮やかな薔薇の紅が彩る。グレンが毟っては散らす度に、
頭がくらくらするほどの甘い匂いが立ち込めた。
お前を、薔薇まみれにしてやりたい。薔薇の絨毯と化したそこに、グレンは暮人を横たえる。
指を絡めて、シーツに縫いとめるように。怯えたような色合いを一瞬滲ませる彼に、
グレンは再び唇を奪う。
先ほどの甘やかなキスとは違う、貪るような激しいキス。
奪いつくすような舌づかいと、強い花の香りに酔わされる。グレンが腰のバックルに手をかけ、ボトムスを緩めたのにも気づかない。
夢中になると、無意識に男の背に縋りつくように腕を回すのが暮人の常だった。
ぎゅ、とグレンのシャツを握り締めて。
貪欲に流し込まれる男の唾液を呑み込んで、嚥下する。

「・・・はは、可愛いぜ、暮人」
「く、そ・・・うるさい・・・・・・」

グレンが己のポケットに手を突っ込んだ。
キスに酔わされて、既に息も絶え絶えだった暮人は気づかなかった。
彼が持ってきた小瓶を傾け、己の掌にとろりと垂らしているのを。
周囲が一段と濃厚な薔薇の香りに染まる。
芳しい香りの掌で、グレンは露わにした暮人の砲身をなぞりあげる。

「っあ―――、あ、冷たぁっ・・・何、」
「薔薇の精油。すげぇよな。これ、媚薬効果もあるんだぜ?・・・お前もも、自分を抑え切れてないだろ」

グレンの言葉に必死に首を振るが、
身体が言うことを聞かない。
ぬるぬると砲身を擦り上げられながら、一方では片足をぐい、と持ち上げられ、拡げさせているのだ。
一番自分の中で恥ずかしい部分を、男に晒されて。
じっと見つめられれば、平気な人間などいないだろう。
今すぐにでも身を捩って、その部分を隠してしまいたいのに、
存外にグレンの腕の力は強い。
胸元につくほど折り曲げた足は、蹴り上げようとしてもびくともしなかった。
指が、あてがわれる。
ぬめりを帯びた指だ。つぷ、とそこは抵抗など忘れたように、

男の侵入を許してしまう。
精油は、潤滑油の代わりとなって暮人の内部をじわりと濡らしていく。

「っあ、・・・や、やめ、」
「っは、すげぇ匂い。お前の匂いと、薔薇の香りが入り混じって・・・頭、おかしくなりそう」

じゅぷじゅぷと、激しい抜き差しが繰り返される。
いつの間にか侵入を許した指は2本になっていて、精油はローションのように内部を融かしていった。
暮人の、張りつめた尻の筋肉に覆われたきつい後孔が、それでも根気強く指で解していくと、
柔らかく蕩けるのをグレンは既に知っている。
指を置くまで差し入れ、前立腺の裏を何度もぐりぐりと刺激してやった。
暮人の身体は、グレンによって開発され、
排泄器官も完全な性器に作り替えられている。
漏れだす声が、抑えられない。
天を向いて勃起している暮人のそれから、先走りがぷくりと蜜を零し、そうして裏筋に沿って垂れた。
グレンは楽し気にそれに舌を這わせる。
頭、おかしくなりそう。お前もだろ?上目遣いに見やるグレンの視線が絡み合う。
欲望に満ちた、赤の視線。野性的なそれに、射貫かれる。
ぐっと、下肢の熱が増した。
暮人の指がシーツを噛み締める。白い波間に薔薇の花びらが散っている。
下肢のあたりは溢れた体液ともローションともつかない液体がシーツに染みを作っていて、
グレンは長い舌で、暮人の砲身を舐め取る。
ちゅ、と音を立ててキスをして、亀頭を呑み込んでやる。
じゅぷじゅぷと卑猥な音が暮人の耳を貫いた。快楽に、酔わされる。
グレンによって乱れる自分を感じる。
こんな前後不覚の状態で乱れている自分を思うと、
死にたくなる程。
けれど、頭を抱えて、死にたいと思っても、目の前の男は許してくれないのである。
それどころか、暮人の心の底では、こんな快感の絶頂で死にたくない、とすら思っていて。

「っ・・・ぐれ、やめ・・・も、」
「いいぜ。イけよ・・・狂ってしまえ」

更に精油の小瓶を砲身に垂らして、後ろに鎮座する2つのふくらみにも優しく触れ、
そうして尻の窄みの部分までの柔らかな皮膚までを撫で上げる。
指は、3本にまで増やされていた。
熱く熟した暮人の内部を、まるで生き物のようなそれがバラバラと動いて、彼を責め立てる。
耐えられなかった。漏れ聞こえてくる声が自分でも嫌なのか、
必死に唇を噛み締めるそばから、溢れてしまう嬌声。とっくに、狂わされてしまった。
快楽に弱い自分を知ってしまった。
それが悔しい。
潤んだ紅褐色の瞳から、目尻を濡らす熱いものが溢れた。
シーツを汚す。けれどそれは悲しいのではない。歓喜の雫だ。

「っあ、グレン・・・も、イっ・・・あああ!」

グレンの内部の指が、ぐり、と前立腺を強く押した瞬間。
抑制の利かない身体がついに開放された。グレンの喉奥に、飛沫のように吐き出す白濁は、かなりの量だ。
はは、溜めすぎだろ。グレンは嗤って、暮人のそれを全部呑み込まずに、
べろりと舌を出した。見せつける。どろりと糸を引く白い粘着質なそれを目にして、
己のであるからこそ、羞恥を覚える。
自分は、吐き出したもの。穢れた欲望。それがグレンに受け止められている。

「っ・・・、も、離せ・・・」
「冗談だろ?」

いやいやと首を振る暮人に、グレンは妖艶な笑みを浮かべて舌先のそれを嚥下する。
旨いぜ、暮人。あり得ない発言に、けれどうっとりと頬を上気させている男のその表情に、
更なる欲望が渦巻く。それを、否定するように首を振る。
だが、グレンは無意識に腰を引いて逃げようとする暮人を、更に追い詰めた。

「・・・や、め・・・」
「何故?・・・俺はお前のすべてを知ってる。気持ちいい部分も、弱い部分も、苦手な所もぜんぶな。
 今更取り繕っても無駄だ。澄ました顔で、なんの興味もない振りをして、
 下半身は濡らしまくりの淫乱。それがお前だ」
「違・・・」
「違わないさ」



嘯く声音すら、深く耳に響いてくる。
片足だけ持ち上げていた体勢が、更にするりと膝裏を捕らわれ、動揺した。
ずるり、と下着とボトムスを一気に脱がされる。グレンはベッドの下に放り、更に暮人のその部分を晒していく。
少し親指で押し開くだけで、先ほどまで解されていたそこはきゅう、と収縮した。
入口の襞は柔らかく、少し指を入れるだけでモノ欲しげに絡みついてくる。
指だけじゃ足りないのだと、涙すら零すそこの卑猥な光景に、グレンもまたぞくりと下肢を疼かせた。

「・・・すげ、エロいぜ。犯してやりたい」
「っ・・・・・・」

乱暴に宛がわれ、そのままぐっと体重をかけられる。
いくら解されたとはいえ、男の鋼鉄の楔はかなりのサイズで、
暮人の狭い内部には到底収まらないものだった。
激しく奥を犯されて、失神したことだって数え切れないほどあるのだ。
無意識に恐怖にに顔が歪む。
それを見つめて、グレンは間近に顔を寄せ、そうして髪を撫でてやった。

「・・・怯えんなよ。優しくしてやるから」
「だ、誰が・・・」

呆れたようにつぶやくのも、もう不可能に近くて。
ぐぐ、とグレンの雄が内部を侵してきた。精油によって内部は蕩かされていて、
強い香りが立ちこめる。
暮人の雌の香りと、薔薇の花の芳醇な香り。深く息を吸って、グレンはそれを味わった。
ひどく、興奮する。まるで媚薬だと思った。薔薇の香りだけではない、彼の、色香が。
どうしようもなく欲望を煽っていく。持っていかれそうな快楽。
己の理性を保つために、軽く腰を引いては、最奥を貫く。どん、と音がしそうなほど激しく貫いて、
そうして激しい締め付けの感触を愉しみながら、緩やかに腰を揺らす。

「っは、あ、あ、・・・」
「暮人」

名を呼ぶ声音が、ひどく甘い。
現実を直視したくなくて、ぎゅ、と瞳を瞑っていた暮人が、
その腰に響くような深い声音に導かれるように開かれる。
間近には、グレンの欲望を宿した赤い瞳と、興奮を隠しきれない雄の表情。
額から汗が零れ堕ち、暮人の肌を汚していく。
触れ合う肌は既にじっとりと濡れていて、吸いつく様。本当、中毒性ありすぎだろ、お前の身体。
相性が良いのは自覚している。
それが、この関係を断ち切れない理由だと、何度も暮人は自問自答している。
グレンは更に激しく奥を侵す。
ぶちゅぶちゅと、奥を貫く度に弾け、溢れる液体は、果たしてどちらのものなのか。

「グレン、ダメだっ・・・早く、」
「ああ、俺もだ、暮人」

結合部を更に割り開くようにして、膝を抱え、更に開かせる。
穢れひとつないシーツに、散らされた花びらと、そこに乱された男の姿。
日にあたらない白い部分が、紅色に鮮やかに色づいている。それがあまりに美しくて、
グレンは一瞬、吸い込まれるような感覚を覚える。
綺麗だ、暮人。
およそ男らしくがっしりとした体形の彼には、あまりに似つかわしくない言葉だった。
それでも、こうして男の腕の中で乱れて、快楽に浮かされて頬を染め、
男とは思えぬほどに煽情的な嬌声を上げる彼に、
グレンはささやく。
内股から膝にかけて、柔らかでなめらかな部分をなぞりあげれば、
びくびくと足が震える。絶頂は、もはや目の前。

「っひ・・・も、無理・・・っあああ―――!!」
「く、・・・っ!」

折り曲げられたきつい体勢のまま、暮人は二度目の精を吐き出した。
今度は、裸の己の胸や首、顔にまで飛び散るそれに顔を顰める。びゅ、びゅっと痙攣するように白濁が溢れる。
止められない。どろりとした精液まみれの肌を、暮人は目を逸らすようにして横を向いた。
そうして、内部の雄もまた。
激しい熱を、己の身体の奥に注ぎ込んでいる。
熱い、とうわごとのように囁く暮人に、グレンは少し苦笑した。
愛おしい。
まだまだ離したくなかった。
第一、彼の誕生日のこの1日は、まだまだ始まったばかりだ。

「・・・く、そ・・・も、離せ・・・」
「嫌だね。今日はお前の誕生日だからな。目いっぱい奉仕してやるぜ、暮人様」
「だから、いらんと言って・・・」

否定の言葉を暮人が紡ぎ終わる直前に、
グレンは下肢を揺らす。未だに繋がったままの箇所が、再び熱く蠢いた。
く、そ。悪態を漏らす暮人に、けれどグレンは意に介してはいないようだ。
それどころか、彼の拗ねた態度に、ますます挿入したままの雄が熱を持つ。

「っ、お前、また、大きくっ・・・」
「ああ、すまねぇなぁ。俺、まだまだお前を離せそうにないわ」

謝る口調のくせに、嬉々として肩を震わせる男に、
暮人は憎しみすら一瞬抱きそうになった。
鬼のくせに。
人間をやめて鬼になって、その欲望に踊らされているだけのくせに、
どうして彼の言葉は、こんなにも自分の心を揺らすのだろう、と自問自答する。

「暮人、いいだろ?」
「・・・・・・」

けれど、グレンの甘えるようなその声音にはどうにも弱い暮人は、
はぁ、と大きくため息をついて、気だるげな腕を持ち上げ、グレンの背を抱き締める。
これでは、今日1日、どんな日になってしまうのだろう、と思った。
とにかく、明日の職務に響かねばよいのだが。

「誕生日おめでとうさん」
「・・・まったく、嬉しいことではないのだがな」
「ま、お前にとってはどうか知らねぇがな。少なくとも俺は、お前が生まれてくれてよかったと思ってるよ」
「グレンが?」
「俺が、だ」

意味深に口の端を釣り上げる男は、赤と紫が入り混じったような色合いで、
イマイチ判別がつかないけれど。
それでも、先ほどよりは幾分優しくなった彼の気配に、
暮人は諦めたように力を抜いて身体を預けたのだった。





end.








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