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星蒼圏 - 保管庫モバイル
お預けは明日まで
思い返せば、今日は散々な1日だった。
明日からの遠出の任務で、グレンと従者たちは一度装備を整える為に『帝ノ月』の本拠地へと一度帰らねばならず、
グレンチームもまた、それぞれ実家で準備を進めていて、自分もまた例外ではなかった。
だからきっと、夜は一緒に過ごせない―――そう思い、
グレンと昼の授業をサボタージュして例の体育館倉庫の影で身体を繋げるつもりだったのだが。
2人で己の雄の証を高め合い、軽い羞恥を覚えながらも、グレンの内部を犯す指に耐えて、そしていざ、ついにグレンのモノで犯されようとするその歓喜の瞬間に。
携帯が鳴り、深夜は(いや、グレンも、だが)思いっきり顔を顰めた。
もちろん、深夜に憚りなく電話をかけてくるのは唯一、彼の兄、柊暮人しかいない。無視すればいいだろ、とグレンはそう言い募ったが、
やはりさすがにあの凶悪な兄のこと、今の自分が彼からの着信を無視すれば、後々大変なことになるだろう。
今でさえ、グレンのこういう関係になっているのがバレていて、正直後ろめたいのだ。彼が見逃してくれているのだって、自分がグレンが、彼の手足となり部下となって任務をこなしているからに他ならない。
彼に逆らえば、この関係も無理矢理引き剥がされる可能性だってあった。
そんな恐ろしい事は、今の深夜にはできない。
慌てて呼吸を整えて電話を出ると、案の定、彼の事務的な声音が聞こえてきて、一気に熱が冷めてしまう。
そのまま性急にコトを奨めようとするグレンを諌めて、義兄の話を聞くと、どうやら任務の事で話があるらしい。
授業をサボってもいいからチーム全員でいますぐ来い、などという暴君の言葉に、中途半端に高められ辛い身体をなんとか理性で抑える。そうしてそのまま、結局グレンとは別れ、皆と別れ、各々装備を整えることになり、気付けば明日に備えて寝る時間になっていた。
「はぁ〜…暮人兄さん…タイミング悪すぎだろ…」
深夜は深々と溜息をついてベッドに身を投げ出した。
もちろん、彼とてただ駄々を捏ねるような子供ではない。任務のために必要な準備は、すべてこの数時間のうちに揃えていた。プロトタイプの黒鬼と、サポート用の呪術。
今までよりは格段にスピードやパワーが増幅したとはいえ、呪符の補助はこちらを有利にするためにも絶対的に必要だ。グレンも深夜も一応前衛ではあったが、グレンのほうが圧倒的にパワータイプである。となれば、同じ呪術をつかえたとしても、自分がサポ―トしたほうが効率が良い。
遠出の準備と戦闘準備は既にきっちりリュックの中に整えてあった。だから、本当は明日のためにしっかり睡眠を取って、眠るべきだっただが。それが、なかなか出来ない。
(…グレン)
忘れよう忘れようとベッドの布団に潜り込み、深夜は何度も寝返りを打った。
けれど目を瞑れば瞑るほどに、彼の最中の普段とはまた違う獰猛な表情を思い出してしまい、身体が再び熱を擡げてくる。
やはり中途半端に高められたまま、途中下車になってしまったのが不味かったのか、深夜は寝るに寝られず、悶々としていた。
既に皺くちゃになってしまっているシーツに頬を押し付けながら、深夜はグレンを想う。
あの時思いもよらず行為を中断されたせいだろう、彼はその後かなり不機嫌で、暮人の指示にもほとんど生返事で応えていたため、五士や美十をはらはらさせたものだ。
まぁそういう自分は、グレンの事というより、自分の熱から意識を逸らすのに必死で、かなり上の空だったが。
きっとグレンも相手を睨み付けていないければ、己の熱を諌めることができなかったのだろうと思うと、少し笑ってしまう。
グレンは今頃どうしているだろう?
愛知に一度戻り、そうして明日の午前中には渋谷に戻ってくると言っていたから、
きっと、結構な強行軍だろう。
今は12時を回った位。
だからもしかしたら、既に車で向かっているかもしれない。それとも、仮眠を取って、朝早くに出立してくるとしたら、今頃は自分と同じように悶々としているだろうか?
渋谷にいたときは、ほとんど毎晩、と言っていい位グレンの部屋に居座っていたから、グレンも久しぶりの一人寝の夜に悶々としているかもしれない、と思う。というか、して欲しい。
自分がいないと寂しいと、つまらないと、そう思うってくれるのなら上出来なのだけれど。そんなことを考えて、深夜は我ながら馬鹿だとくすくすと笑ってしまった。
いつもいつも、グレンは自分を抱いている時もほとんど表情を変えないし、衣服も乱れる程のねちっこいセックスをするわけでもない。だから、大抵は快楽の底に突き落とされて、身も世もなく乱れるのは自分のほうで、
そういう時、少しだけ、不安になるのだった。
自分がグレンを欲しているように、本当に彼も自分を欲しがってくれているのだろうか?
同じ温度を求めるのは、彼には難しいかもしれないが、
それでも同じように彼も自分を欲してくれるのなら一番幸せなのだけれど。
「・・・グレン」
いよいよ本気で眠れそうになく、深夜は目を閉じて、愛おしい男の影を追った。
もし彼が今ここにいたら、何を言い、何をしてくれるだろう?
きっと機嫌が悪そうな声音で、性急に自分をベッドに押し付けてきて、・・・
―――昼間の続きをするぞ。
「っ・・・、ぁ、グレン・・・っ」
シャツを胸元からボタンをはずして、そうして露わになった己の肌に深夜は指先を這わせた。瞳を閉じ、彼がいつもしてくれるように、シャツの隙間から掌を差し入れ、あの長い指でなぞるようにして胸元を辿っていく。
中指で胸元の飾りに辿り着くと、今度は中指と薬指で挟み込むようにして、小さな突起を弄り始めていく。
最初は敏感でふわふわした柔らかなそれが、刺激を与えていくうちに硬くしこってきて、深夜は小さく声を漏らしてしまった。
いつもグレンはここを執拗に舐めねぶってきて、気付けばここへの刺激だけで下半身がぎんぎんに滾ってしまうことも少なくなかったから、
かなり敏感なほうだと自覚している。いつもの濡れた感覚がないのが寂しくて、深夜は己の口内に指を3本束にするようにして射し入れた。
舌を押す様にして、まるで男のモノを舐めているように舌を絡めて、そうして濡れた指先で突起の先をぐりぐりと弄り始める。
息があがって、浅い呼吸を繰り返しながら、指先を舐めるのに夢中になっていた。
そのまま、もう片方の手のひらは、無意識に己の下肢へと近づいていく。
そこは、服の上からでも十分に勃起していた。
硬く張りつめるそこを擦るようにして、深夜は薄らと瞳を開かせ、そうして乱れ始めている自分を意識する。
「・・・ん、グレ・・・ちょく、せつっ、」
―――直接、触って欲しい、
そう強く想った深夜は、寝間着のズボンと下着をすこしずり下げ、己の雄を解放させた。
予想通り、半勃ち状態のそれに、そろりと指をはわせる。
もうここまで来たら、抜かないまま眠るのは不可能だ。
指先を絡めるだけで芯の硬さを増していくそれに、少しの羞恥と少しの背徳感を覚えたが、それ以上の快楽の予感が深夜を昂ぶらせる。
グレンのモノをしゃぶりながら、己の下肢を興奮させる行為はひどく快感を煽った。
指先がふやける頃には、下肢は完全に勃起していて、グレンはいつも耳元で、はは、とからかう様に笑い、そうして、己の雄の証の先端を、掌で擦ったり、指先で括れの部分をゆるゆると刺激したりする。
かと思えば、一番感じる部分には敢えて触れず、砲身だけを扱いて、もどかしい感覚に自分が思わず欲しがる言葉が口をついて出てしまうまで焦らしてくるのだ。本当に彼の愛撫は意地が悪く、
だがとても、丁寧だった。
決して、自分の欲望に任せた抱き方はしない。けれどそれが深夜には少し不満で、
自分ばかり快楽に突き落とされているようで恥ずかしいことこの上ない。グレンだって、ひどく興奮したように下半身を熱くしているくせに、
あの余裕の表情をいつだって崩してやりたいと思ってしまう。
なのに、与えられる快楽にすぐ負けてしまう、自分の欲深な身体の情けなさといったら。
「っ・・・はは、最っ低・・・」
唇を噛み締めて、けれど更に深夜の掌の動きは激しさを増した。
ヒクヒクと開閉する先端からは、とろとろと先走りの蜜が溢れだしている。それを指先で絡め、水音を弾けさせながら砲身を根本から先端まで何度も扱きあげていく。
「っあ、ァ、ぐれ、」
ここでグレンなら、きっとキスをして、舌を絡めてくるのだろう。
吐息を奪う様に深く重なる口づけ。快感に喘ぐ自分にとってそれはひどく苦しくて、けれど頭が真っ白になる瞬間だ。
グレンと肌と肌が重なり合い、全身が高められていく。
今日はあの重さが何もないのが、少し寂しかった。
ただ、愛する男を脳裏に描きながら、そして解放に向けて無心に己の雄を何度も扱いていけば、その瞬間はもうすぐ目の前だ。
耳元で、幻聴が聞こえた。グレンの、低く落とされた声音。下肢に響くそれに、何度本気で腰を砕かされたかわからない。
今すぐ、彼の声を聞きたいと、そう願わずにはいられない。
そうすれば、きっと、限界まで高められた身体は、抵抗する間もなくくすぶっていた熱を吐き出させるだろう。
ぎゅ、とシーツを指で噛み締めた。浮き上がる腰、身体を緊張させるように、身体を抱えるように膝が無意識に曲がり、つま先がシーツを何度も蹴ってしまう。
「っ、あ、ああっ・・・―――!」
今にもイく、そう感じて、漏れる声音を抑え切れない、まさにその時だった。
―――てぃってぃり〜てぃりりてぃってぃってぃ〜♪
およそ、夜のムードとは程遠い着信音が鳴り、深夜は思わず息を止めてしまった。
あと一歩でイく、というところまで漸く昂ぶったというのに、
そのメロディでなんだか気が抜けてしまう。いやいや、正確にはまだまだ熱は収まらないのだが、その音が恨めしく、思わず携帯を見て顔を顰めてしまう。
こんな時間にかけてくる奴なんて、ろくな事じゃない。
無視しようかと思ったが、柊家に縛られた自分がやはり無視を決め込むのは不可能で、
己の砲身に指を絡めたまま、枕元のケータイを覗き込む。
「・・・っ―――」
―――グレンだった。
自分が今しがた、焦がれて焦がれて仕方がなかった男。
彼の存在を、声を聴きたいと思ったまさにその瞬間で、一瞬その奇跡ともいえる状況に固まってしまう。
先日悪戯で勝手に変えられたままのとあるゲームの着信音を2周するほど聞いてから、深夜は漸く震えている掌を伸ばした。
何度見てもグレンからだ。着信ボタンを押して、そうしてベッドに仰向けになったまま携帯を耳に当てる。
「・・・グレン、」
『悪い。・・・起こしちまったか?』
いつになく殊勝な台詞、けれどその声音は深く静かで、夜に相応しい。深夜は右手で包み込んでいた己の下肢を握りこんで、少し笑ってしまった。
今、まさに聞きたいと思っていた声音。
「っは…どうしたの?グレン」
僕の声でも聴きたくなった?とからかう様に言ってみると、
しかしすぐに相手から返事は来ない。
まさか図星だとでも言うのだろうか?
あのグレンが、自分にわざわざそんな理由で電話を掛けてきたと?
『今、一人なのか?』
「ん…そう。漸く寝ようと思ってたとこ。グレンは?」
『4時にこっちを発ってそっちに向かう。・・・今は仮眠中だ』
「そう、」
グレンも1人だと知って、少し嬉しくなるのは何故だろう。
深夜は電話口で、はぁ、と熱い吐息を零した。
既に平静を装うのも辛くて、己の掌の中のそれも既に解放を訴えてばかり。
普段とは違うトーンの彼の声音に、そろそろ自分も限界だ。
こんなに離れているのに、とても近くて、けれど触れられないのがもどかしい。ぎゅ、と携帯を握り締めて、それだけが彼との繋がりを維持してくれるモノだと感じて強く耳に押し当てる。
少しでも近くに感じたくて、目を閉じてグレンの息遣いを追った。
再び、掌からはくちゅくちゅと卑猥な水音が溢れてくる。
『深夜、』
「ん・・・っ、なに??」
『何か話せ。・・・いや、とにかく声を聴かせろ』
「は・・・?どうしたの、グレン。まさかグレンも、1人寂しくエッチでもしてるとか?」
再び無言。耳を澄ませば、微かに熱の篭った吐息。
深夜は息を呑んだ。まさかグレンも、自分と同じように
自分を想って下半身を慰めていたとでもいうのだろうか?
『うるさい』
「って、図星?グレンったら変態〜」
『どうせお前もだろう、深夜?』
一段と低くなった声音、グレンの、自分の名前を呼ぶ声音に、背筋がぞくりと震える。思わず射精感が下半身を直撃してきて、思わず慌てて根本を強く抑えた。んッと、鼻にかかった甘い声音が漏れてしまったのに、彼は気づいてしまっただろうか?
自分がすでにのっぴきならない状態まで来ていることを、
彼にバレるのは、ひどく気恥ずかしい。
『どうした、もっと声出せよ?』
「っ・・・グレンの、馬鹿」
『さすがにあんな中途半端のまま終わる羽目になって、お前も辛かったろ』
「ま・・・そりゃそうだけど」
『だったら大人しく、続きをさせろ』
投げやりな彼の言葉に、思わず苦笑してしまった。
今の彼は、自分を誘惑しようと言葉を発しているというよりは、
己自身の欲望に忠実で。そもそも、普段彼から電話をかけてくることなんてないだけに、深夜は胸が高鳴るのを隠せずにいた。
嬉しいと思う。グレンの声音を聞いているだけで、彼が傍にいると錯覚できる。深夜もまた再び目を閉じて、彼の声を噛み締める。
『・・・深夜』
「僕も。君の声が聞きたい。・・・イかせて?」
『淫乱だな?』
「んっ・・・そう、グレン限定で。」
ふふ、と笑って、一段と己自身を擦る動きを強めていく。唇を噛み締めて耐えていた声音がこらえきれずに漏れてしまい、それがグレンの耳を刺激する。
すると、電話越しの彼もまた、息遣いが荒くなる。
それが嬉しくて堪らない。
「ね・・・グレンも、イきそ?」
『・・・まだもう少しかかる、かな』
「え〜一緒にイこうよ」
『お前こそ、』
ちゃんと後ろは弄ったのかよ、と耳元で囁かれて、一気に頬が熱くなった。
確かに、グレンが傍にいたならば、きっと今頃はするりと腰から尻へと手を回されて、揉みしだかれているだろう、とは思う。だが流石にそこまでする勇気はなくて、無意識に前だけで達しようとしていたのだが。
ごくりと、思わず喉を鳴らしてしまう。
グレンの、普段の愛撫を生々しく思い描いてしまい、更に息が上がる。電話越しのグレンは、はは、と嗤う。
誘惑に負けそうになる。尻の奥、いつもグレンのそれを受け入れている箇所が、疼き始める。
一度意識すると、どうしても触れたくなってしまう自分が、ひどく恥ずかしかった。
だれも見ていない部屋で、それでも深夜はソコを隠す様に身を捩った。
「グレン、それは・・・」
『自分で触ってみろよ。好きなんだろ?』
「っでも・・・」
グレンにそう促されて、けれど自分ではそんな場所触れた事もないから、
どうしても躊躇ってしまう。
恐る恐る尻を辿り、隙間に触れてみる。するとそこは既に熱く、少しの刺激にも勝手に反応して、己の指すら呑み込もうとするかのように収縮を繰り返している。
我ながら、愕然としてしまった。
まったく、グレンの言う通り、今の自分はひどく欲望に忠実で、
確かに、前だけの刺激よりも後ろの感覚を欲していた。
しかも、こうしてグレンの存在を感じているだけに、
より彼のあの熱量を求めてしまう。
『どうした・・・俺に抱かれてるつもりなら、出来るだろ』
「んっ・・・ホントに、やるの?」
『いいから。どうせ指だってもう濡れてんだろ?そのままゆっくり挿れてみろ』
「・・・狭いよ」
『力抜けよ。深呼吸しろ』
まったく、相手は自分が抵抗してこのまま言う事を素直に聞かない、などと一切思っていないのだから、悔しいと思う。
だが、ここまできて、グレンに耳元で囁かれて、
抵抗するほうが難しかった。
宛がった指先を、意を決して内部にずぷりと押し込んでいく。
グレンに言われた通り、ゆっくりと深呼吸して、それに合わせてじわりと指に力を込めると、柔軟な内部は、想像よりも簡単に己のそれを受け入れてくれた。
息を呑む。
下肢から感じる感覚と、己の指を締め付ける力に、動揺する。
グレンはいつも、こんな感触を味わっているのだろうか?
未知の世界に足を踏み入れたようで、どきどきした。
自ら、己の排泄器官に指を入れるなどという、倒錯的な快楽に、上気しているのがわかる。
「っ・・・は、ぁ、っ・・・」
『声、抑えるなよ?』
「ん・・・、でも、も、無理・・・」
『無理なわけないだろ。いっつも俺のを受け入れてるのは、どこの誰だ?』
にやにやと明らかに笑っている気配のグレンに、
酷く羞恥を覚えた。
彼はこんな状況に自分を突き落として、己の雄を慰めているのだと思うと、悔しくて堪らない。
つい身体の力を込めてしまい、中指を過ぎたあたりまで入り込んだ己の指を、激しく締め付けてしまった。
「っあ、あっ・・・」
『ちゃんと、根本まで入ったか?』
「・・・まだ、」
『でも、そろそろ柔らかくなってきただろ?2本一緒に入れてみろ』
「っ馬鹿、無理だって・・・」
『そんなんじゃ、気持ちよくなれないぞ?』
からかうような、甘い声音。
これは誘惑で、彼の言う通りにしないとイけない、とでも言われているかの様だ。
実際にはそんなはずないのに、グレンに言われると、
洗脳されてしまう気がする。
理性が磨滅して、まともな思考回路が働かなくなって、
そうして、自らの意志などお構いなしに、指が下肢を貫く。
まるで操られているかのようだ。
目を閉じれば、自分の指が、自分のものでないようにすら感じる。
2本の指が、己の中に呑み込まれていく。
「あ・・・ああ、熱い・・・っ」
『自分の、気持ちいい所はわかるな?』
「・・・前立腺?」
『内側の壁を辿っていけば、すぐわかる』
「・・・ほんと、最低」
そもそもなぜ自分の身体の構造をグレンに教えて貰わねばならないのか、本当に苛立たしい。
グレンは自分の知らない自分を沢山知っていて、
それが悔しいと思う。
初めは、絶対に自分が触れることもないこんな場所を彼に明け渡すなんて、恐ろしくて仕方がなかった。
だというのに、今じゃ、彼に犯されて気持ちよくしてどうしようもないのだから、本当に自分は彼に絆されているのだとつくづく思う。
「グレンも・・・ちゃんと興奮してんの?」
『当たり前だろ?お前のエロい声にちゃんと反応してるよ』
「なら、いいけど」
はぁ、と諦めたように肩を落として、そうして、下肢の感覚に集中した。
そろそろ、ケータイを持って耳に当てているのも辛くなってきて、
深夜はケータイを耳元に置き、そうして空いたほうの掌で既に先程の愛撫で敏感になっている乳首を摘むようにして刺激する。
グレンは、下肢を犯しながら、背後から己の胸を弄るのが好きで、
それを思い出しながら、乳首に爪を立てると、
口元からは悲鳴が上がってしまう。
電話口の彼も、口数が減っている。それだけ、己の下肢の感覚に
集中しているのかもしれないと思うと、嬉しくなる。
彼もまた、自分に感じてくれているのだと、そう思えたから。
「っあ、ああ、ぐれんっ、」
『深夜、』
はっ、と熱い吐息がケータイから漏れてきて、思わず顔を緩ませてしまった。
根本まで呑み込んだ下肢の奥の内側を、ゆっくりと擦れば、確かに快感を覚える箇所がある。
きっと、そこが前立腺の部分なのだろう。
執拗に撫でてやると、昂ぶったままの雄から、更に溢れだす先走り。
乳首を弄っていた指を、前の先端に絡める。
もう、我慢できない。
先程からイきたくて仕方なかった感覚を思い出してしまい、
それからは、もう己を抑えることなんてできなかった。
「も、もう、駄目、グレンっ・・・イきたっ、」
『・・・っ、わかってる』
「ぐれん、も?」
『ああ、』
「っ、あ、はは、嬉しい・・・っ、ああっ、」
荒い呼吸、ぐちゅぐちゅと卑猥な濡れた音。そしてグレンの声音に惑わされて、もう、深夜は耐えられるはずもなく、
ぐり、と奥の一番感じる部分を指で強く押した瞬間、
己の手のうちに、びゅる、と精液を溢れださせた。
断続的に放出されるそれを受け止めながら、びくびくと身体を震わせる。
全身が脱力するほどの、解放感。
力を失った手足を投げ出して、再び耳を澄ますと、
電話の先のグレンからも、小さく呻き声がした。きっと、彼もイったのだろう。
自分と同じように手の中に吐き出して、そうしてティッシュで拭う、といった一連の作業はきっと自分と同じなのだろうが、
なんだかひどくもったいない気がした。
自分の身体で受け止めてやれたなら、きっと、もっともっと気持ちよかっただろうに。
なんだかんだで気持ちを高めたところでこの物理的な距離は無常で、
それがひどく切ない。
やはり、傍にいて、抱き合って、そうして繋がり合わねば、
物足りなかった。
早く、渋谷にもどってきて欲しいと、そう思った。
任務なんかさっさと終わらせて、また、あの熱い夜を過ごしたいと。
『ったく、最低だな』
「うん・・・」
『全然、すっきりしないわ』
「僕も」
身体的にはすっきりしたのだが、心がもやもやしていて、
グレンもそう思ってくれているのが、とても愛しいと思った。
早く、早く会いたいと、そう強く思ってしまう。
「・・・明日、何時に着くの?」
『きっと、10時頃だろうな』
「じゃあ、」
『ああ。任務前に一発ヤらせろ』
「ったく相変わらずデリカシーのない言い方やめてよね」
肩を竦めて、けれどそう言ってくれた事が嬉しくて。
深夜は笑った。今夜はゆっくり眠れそうだ。
明日にまた彼に会えるのなら、むしろ今は早く寝てしまおうと思う。
「じゃあ、おやすみ、グレン。
明日は気を付けて帰って来てね」
『ああ。また明日な、深夜』
ちゅ、と音を立てて受話器にキスをすれば、
少しの躊躇いの後、彼も同じように恥ずかしい音を立ててくれて、
また疼きそうになる己の身体を必死に諌める。
自分が吐き出したままの精の処理もおざなりに、深夜は柔らかな枕に顔を埋め、瞳を閉じたのだった。
end.
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