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それも全部熱のせい




吸血鬼殲滅部隊『月鬼ノ組』に突然の救援要請が入ったのは、その日の夜、皆が寝静まった頃だった。
今回は、池袋での吸血鬼殲滅任務。
その頃の池袋は、まだ人間の住まう町と外とを隔てる壁が完成しておらず、
人間の手による結界で外部の危険がら守っていたような環境で、
たびたび吸血鬼が侵入しては、犠牲者が出ていた。
今もまたそのような状況で、特に今回は追い詰められた吸血鬼が、人質を取り立てこもっているという。
となれば、対吸血鬼専門部隊である自分たちが駆り出されるのも致し方ないことだろう。

「あ〜あ、こんな遅い時間に…だるいなぁ」
「だったら来んなよ。大体、もう寝てたのか?深夜。まだ0時回ったばかりだぞ」
「そういう君は執務中?あーあ、やだなぁ、これだから仕事の鬼は」

軽口を叩き合うが、やってきた深夜は既に臨戦態勢だ。
グレン隊ももう、配置についている。
夜目の効く深夜を援護に置き、あとは挑発役のグレンが吸血鬼に近づけばいい。
簡単な任務だった。
なんといっても、ここは帝鬼軍の陣地だ。多少組織の末端を掻き回されたとて、主力メンバーが駆け付ける時間さえ稼げば
あとは難なく敵を撃破、または捕獲することができる。

今回もそんなたわいのない任務で、特に苦労もなくグレンはその圧倒的な実力で吸血鬼を追い詰めていく。

「っは、吸血鬼のくせに、たわいねぇなぁ?」
「ぐ…愚かな人間どもに、よもや私が…!」

鬼呪の攻撃を受け、五士の幻術に足を取られ、人質たちは既に美十や小百合が保護している。
時雨の拘束呪を練り込んだ糸が吸血鬼を縛り上げられる。
これで一件落着、そう肩の力を抜いた、その時だった。

「はっ、馬鹿め!だから愚かだというのだ、お前らは!」

苦しい息の中絞り出した声音と、背後から膨れ上がる殺気。
潜んでいたのは、目の前の吸血鬼1匹だけではなかった。
両サイドから強襲され、周囲の安全確保に回っていたはずの深夜が珍しく慌てたように襲いかかる吸血鬼と対峙していた。
元々近接を得意とはしていない彼の援護に向かわねば、と、こちらも少し焦りを感じるが、
幸い、人質を一般兵に預け、戻ってきた美十が援護に回ったため、なんとか不意打ちの危機は脱する。
グレンは目を細めた。
普段の深夜らしからぬ失態。勿論、それで咎める気はないが、
はぁはぁと疲れたように肩で息をする彼は、どこか精彩を欠いている気がして。
じっと見つめていると、視線に気づいたのか、いつものように笑顔を浮かべて手を降ってきて、
グレンはため息をついた。
捕獲1匹、殺したのは2匹。2級武装であるが、そこそこの実力だった。
あと処理を五士たちにまかせ、グレンは深夜の傍へと歩んだ。

「大丈夫か」
「ああ、御免。しくじっちゃった」

へらへらと笑う彼を、グレンは真顔で見つめる。
まぁでも、大事にならなくてよかった、と、そう肩を竦めて周囲を見渡す彼に、
グレンは無言で腕を伸ばした。

「っ、」

いきなり間合いを詰められ、思わず深夜はのけ反ったがもう遅い。
グレンの掌が、深夜の額に吸いつく様に触れていた。グレンは顔を顰める。熱い。一瞬でわかってしまう位のそれに、
ますますグレンは眉を寄せた。深夜もすぐ離れたが、彼の体調の悪さは疑いようない。

「…具合悪いなら来んなよ」
「っまぁ…君1人じゃ心配だからね…。てか別に、そんなひどくないし」
「その熱で酷くない奴あるかよ。大人しく寝ろ」
「大丈夫だって…」

とはいいつつも、ひらひらと手を振る深夜の足取りは危うい。
どこかまっすぐ歩けていないような気さえする彼に、グレンはため息をついて彼の身体を支えた。
ぐい、と腰を掴んで。引き寄せる。深夜は頬を赤く染めた。
ただでさえ熱の篭ったそこが、更に沸騰してしまいそうな程。グレンは構わず、深夜を連れて渋谷へ戻るべく地下鉄へ向かう。

「ちょ、とグレン、現場始末は…」
「アイツらに任せてるさ。それよりお前に倒れられるのは困るんだよ。だから」
「グレン…こういう時ばっかり、優しいんだから…」
「抜かせ」

軽口を叩きながらも、深夜は熱い息を吐いて、そうしてぐったりとグレンに身体を預ける。
もう、本当は限界だった。
ただ、警報が鳴って、吸血鬼殲滅部隊が駆り出されて、
やはり、その無事を自分の目で確かめねば気が済まなくて。

「グレン…無事で、よかった」
「俺が無事で帰らないことがあったか?」

ニヤリ、と笑みを浮かべるグレンに、深夜もまた、眩しそうに笑って。
強まる腕の力に、深夜もまた、己の身体を彼に預けたのだった。










「だるい…」
「ったく、当たり前だろう」

渋谷の深夜の部屋に着く頃には、深夜はグレンなしでは歩けない程に体力を消耗していた。
単純な傷ならば大抵1日でほとんど回復する身体だが、原因の複雑な病気となると、いかな鬼呪でもあまりはっきりとした回復力は見込めないらしい。
ましてや、先ほどまで吸血鬼との戦闘に力を割いていたのだから、それも当然だろう。
ベッドに横たえると、力尽きてずるりと腕が己の背から落ちてくるのに、グレンはため息をついた。
深夜はだるそうに額に手を当てて、部屋の明かりすら眩しそうにして呻いている。
実はかなりの重症なのかもしれない。深夜の頬に掌を当てると燃えるように熱かった。
深夜の軍服の襟首を緩めて、そうしてアメニティスペースに向かう。勿論だがアイス枕などはないから
洗面器に氷水を張り、タオルを浸す。お互い、久しく風邪などひいたことがなかったから、
なんだかこういうのも新鮮だ。風邪薬の用意もない。もちろん、医務室に行けば必要な薬はあるのだが。
取りに行ってもよかったけれど、今の状態の彼を1人、部屋に残しておくのは気が引けた。

「・・・深夜。・・・寝ちまったのか?」

ベッドにぐったりと横たわったまま動かない彼に、グレンは傍の椅子をベッドに引き寄せ、腰かけた。
持ってきた洗面器を傍に置いて、タオルを絞る。顔を真っ赤にしたまま、身体に溜まった熱を吐き出そうと浅い息をつく深夜に、グレンはひたりと濡れたタオルを当ててやった。
冷たさに瞼を開けた先に見える深夜の瞳は、ひどく潤んでいて、不安そうに揺れている。
もう、まともに思考回路が働いていないのかもしれない。ぼんやりと自分を見つめる深夜のその姿に、
不意に最中の深夜の表情を重ねてしまい、グレンはそっと唇を噛み締めた。
目線を逸らす。まったく、今はそんな場合ではないのに。深夜だって、寝ているだけで辛そうなのに。
グレンは己の理性をフル稼働させながら、深夜の軍服を脱がせていった。
ゆったりとした部屋着に着替えさせるのはさすがに難しいが、かっちりとした生地の上着と窮屈なボトムスくらいは脱がしてしまうべきだろう。

「ん・・・グレン・・・?」
「・・・少し、我慢しろ」

軍服の前のボタンを、ひとつひとつ外していく。
彼の身体に負担をかけないよう、慎重に抱き起こし、袖を引き抜いた。
辛そうにしていた彼も、けれどグレンの意図が伝わったのか、大人しく身を預けている。
露わになった襟元から覗く、白く滑らかな肌に、吸いつきたい衝動に駆られた。
色素の薄い肌は、いつだってキスをすればすぐに紅色に色づいて。鮮やかなその色合いにいつだって興奮したものだ。
けれどグレンは黙って上着を脱がせてしまう。ぱさり、と床に落とされる布地の音。
ここまではいい。
だが、問題はこの後だった。

「・・・」

ベルトの留め金を外し、そうしてボトムスの前に指をかけた。極力下肢のその膨らみを意識しないようにして
手のひらで尻をたどり、ゆっくりと布地をずり下げた。
深夜はもはや自ら身体を動かすこともできずに、グレンにされるがままになっている。
身体を傾けられ、そのまま太腿まで脱がせてしまうと、裾の長いシャツから覗く白く滑らかな腿がグレンの目の前に晒された。煽られそうになる。いつも、彼とはそういった関係を続けていたからこそ、
理性が続かない自分を、グレンは感じた。バカげた話だ。
病人相手に、何を盛っているのだか。

「っくそ…」

はあぁ、と大きくため息をついて。
グレンはベッドの端に寄っていた上掛けを深夜の身体の上に乗せてやり、そのままボトムスを引き抜いた。
これもまた、ベッド下に放り投げて、そのまま横たわる深夜の首元まで布団を引き上げてやる。
布団ごしに彼の身体を抱きしめてやると、深夜の潤んだ瞳が自分を見つめてきた。
もう、まともに焦点を合わせてすらいられないのかもしれない。自分を通り越して遠くを見やる彼の視線に、
グレンは眉根を寄せる。やはり、薬が必要なのでは、と。
もう一度、額のタオルを氷水で絞り、額を冷やしてやる。タオルと共に冷たくなった手のひらで、真っ赤に染まる頬に触れてやれば、本当に深夜の熱は熱くて。これでは、もしかしたら39度近くあるのではなかろうか。

「…やはり、薬がいるか」
「グレン…?」

休んでいろ、と声をかけて、グレンは身を起こした。
離れがたかったが、このままでは深夜の体力が落ちる一方だ。無理をさせて自己回復を待つより、薬に頼ったほうがより早く回復するだろうし、そのほうが良いはずだ。彼の頭をさらりと撫でて、そうして背を向ける。
立ち上がり、医務室へ行こうとして、
―――不意に、腕をつかむ感触があり、グレンは振り向いた。
弱々しい力、深夜だ。じっとこちらを見つめる瞳、けれどそれはひどく不安げに揺れる。

「どこかに、行くの…?」
「別に、置いていきやしねぇよ」

薬を貰ってくるだけだ、とそう告げるものの、深夜の不安そうな表情は変わらない。
それどころか、ぎゅ、と更に指の力を込めてくる。ぐれん、そう熱を吐いた声音で名を呼ばれて、
グレンはもはや理性を抑えきれずにいた。小さく舌打ちをして、深夜が伸ばしてくる指を掴むと、
思わず、息を呑んでしまった。
―――冷たい。
冷え切った指先や掌。グレンは思わず指を絡めて強く掴んでしまった。額や顔の熱さとは裏腹に、
寒いのかぶるりと震える身体。グレンは冷え切ったそれを温めるように再び深夜の腕ごと彼の身体を抱き締める。
熱がないのでは、と思うほどに冷たい身体。

「・・・寒いよ、グレン」
「深夜」
「傍に居て・・・」
「・・・・・・く、っそ、」

いつになく素直に甘えてくる表情に、グレンもまた、惹かれずにはいられない。
理性がガラガラと派手な音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。それでもなんとか剥がれ落ちた破片をかき集めて、
グレンは己の衣服を脱ぎ捨てる。朦朧とした深夜のシャツも同じように剥いで、露わになった白い肌に己の素肌を触れ合わせた。ひんやりと冷たいそれを、強く抱き締める。

「・・・これなら、寒くないだろ」
「ん・・・グレン、大好き」
「っ、」

まるで、年齢が10も下がったかのような。そんな舌足らずな声音で甘えてくる銀髪の青年は、
そのまま男の肩口に顔を埋めてくる。タオルが額からずり落ち、ひんやりとした額が押し当てられた。
それでも、すぐに熱を持つ頬。顔色は赤く、苦し気だ。冷えた個所は肩口や背、腕や指先だけではなく、
両足から足首、爪の先まで冷え切っている。横から彼の足の間に膝を割り込ませ、
そうして身体を重ねた。
重なり合う箇所はすぐにじんわりと熱を持った。もちろん、体形はほとんど同じ2人は、
腰の辺りに鎮座する互いの熱の存在も意識してしまう。
もちろん、グレンは必死に理性を保っていたが、甘えるように身体を摺り寄せる深夜の動きに、
いかなグレンでも欲情せずにはいられなかった。
触れ合う下半身が、熱い。
そこだけ、特に熱を強めるばかりの下肢を嫌でも意識してしまう。

「・・・ったく、お前は・・・」
「欲しいよ、グレン」

顔をあげて見つめてくる深夜の視線が、熱を孕んでいる。
彼の下肢はとっくに形を変えていて、芯を持ち始めていて、グレンもまた、諦めたように腰を揺すれば
んっ、と甘い声音が耳元で響いた。吹き込まれるそれに、脳が疼く。
知らず息が上がり、無意識に喉を鳴らした。
ただでさえ、深夜はもはや素裸をグレンに惜しげもなく晒していて。今更ながら、
グレンは己がこれ以上我慢できないことを悟る。

「・・・こんなことしてちゃ、下がるもんもさがんねーぞ」
「いいよ。グレンの傍にいたい」
「・・・ち、」

この、風邪っぴきのくせに、あまりに妖艶な表情で誘惑してくる深夜に、
グレンはとうとう折れてしまった。一端そうと意識を始めると、ずるずると欲望に引きずられていく。
お互いに、情に溺れたことがないわけではないだけに、性質が悪かった。
グレンが深夜を抱え直し、シーツに両の掌を縫い止めた。
真っ赤に熟れたような半開きの唇に、グレンもまた、己の形のよいそれを重ねていく。まるで引き寄せられるようだ。
抵抗なく導かれる内部は、いつもよりも数段熱い。グレンは額に触れて、やはりその燃えるような熱を確かめると、
先ほど枕の横にずり落ちていたタオルを再び彼の額や瞳の上に置いてやった。

「あ〜・・・気持ちいい・・・」
「せめてちゃんと冷やしておけよ」
「グレンが更に熱を上げるくせにねぇ」
「止めるぞ」
「嘘々。もっと・・・して欲しい。最近、ご無沙汰だったろ・・・?」

飢えてるんだ。ぎゅ、とグレンの指先と絡み合っているそれに力を込めて。
深夜は再び唇を重ねていく。舌を絡め何度も水音を弾けさせては、喉を鳴らして嚥下する。
キスだけで、もはや互いの身体は完全にその気になっていた。
グレンが腰を揺らせば、深夜の張りつめたそれも濡れる。既に腹の間は先走りでべとべとだ。掌でたどれば、
ひどく卑猥な感触に滑った。ったく。グレンはもう一度肩を落とした。
もう、止められないぞ。
そう呟いて、グレンは深夜の首筋に噛みついた。骨の部分から鎖骨にかけてのでっぱりの部分が、グレンのお気に入りだ。
舌でたどって、唇で強く吸い上げれば、鮮やかな桜の花びらが散る。
それを幾度となく繰り返しているうちに、グレンの唇が肌を辿るたびに深夜の身体が跳ねた。

「んっ・・・ぁ、」
「感じるか?」
「うんっ・・・すごい、感じる・・・っ」

深夜の表情が、歪んだ。眉根を寄せて、切なそうに瞳を揺らす。この表情が彼の感じている証で、
グレンは気をよくして、胸元にも甘いキスを散らした。
たっぷりと唾液を乗せて、濡れた線を作っていく。細身ながら、鍛えられた筋肉の筋を辿って行けば、
つん、と立ち上がった小さな突起が見つかる。
既に、濃い色合いに色づき、早く吸いついて欲しそうに立ち上がっていた。
尖らせた舌先でつついて、それからざらりとした舌の腹で乳輪全体を包み込むように舐めてやる。
可愛らしいながら、それでも敏感なのか深夜の背がのけ反らされて、
グレンはくすりと笑ってしまった。
冷え切っていたはずの身体が、今は熱くなっていて。
興奮する。今だに深夜はぎゅ、と両掌を絡ませあったままで。
確かに愛撫はしにくいけれど、それでも深夜との繋がりを意識しながらゆっくりとキスを続けるのは、
それなりに楽しい行為だった。
腹の筋肉を辿って舌を這わせてやれば、ぴくぴくと筋肉を震わせて身体を戦慄かせる。
一番の欲望を露わにする箇所は、すぐ目の前。

「ったく・・・病気のときくらい、大人しくしてりゃいいのに」
「ん・・・っ、あっ、」

そろりと指を絡められて、深夜の身体が竦んだ。
熱く、敏感になった身体は、既にグレンから与えられる快楽に耐えられそうにない。
だというのに、グレンはとろとろと先走りを溢れさせる深夜の雄を見つめたまま、楽し気に舌を伸ばす。
ちゅ、と音を弾けさせるキスに、深夜の内股が痙攣した。
もう片方のグレンの掌は、彼の敏感な内股の肌を何度も撫ぜている。
もどかしい刺激に思わず膝を立ててしまえば、グイ、と力が篭りグレンの目の前に中心部を曝け出させた。
耐えられない。散々、こういった行為をしてきたくせに、
今ですら羞恥を忘れることはできない。グレンに見つめられながら愛撫をされている事実に、
深夜は唇噛み締めて耐え続けるほかなかった。

「すげぇ、熱い…仕方ねぇな」
「あっ・・・ぐれ、やだぁ・・・あ、ああっ・・・」

いやだ、といいつつも、腰が浮き上がってはグレンの口内に押し付けようとすらしてしまうのだから、
本当に浅ましい欲望だ。グレンの熱く濡れた口の粘膜は、絶妙なタイミングで深夜の砲身に絡みついてくる。
ねっとりと包まれる満たされた感覚から、次の瞬間にはきつく、強く吸われて締め上げられる。
絞られるかと思うほどのそれに痛みすら覚えていると、気付けば生き物のように長い舌が筋を強く刺激するように辿っては先走りを舐め取っていく。
グレンの舌遣いは的確だ。
感じるところを知っていて、敢えて外した部分を強く刺激する。
もどかしげにぱさぱさと髪を揺らして、自ら宛がおうと腰を揺らしても、
そう簡単には強い快楽を与えてくれやしない。甘い声音を吐いて、グレン、グレン、と名を呼んで懇願して、
お願い、とそう訴えなければ深夜の望む快楽を与えてくれないのだ。
意地の悪い相手だとは思うが、散々焦らされた後、漸くグレンが与えてくれる快感はあまりに激しく、
それだけで頭が真っ白に塗りつぶされ、絶頂に達することだって多々あった。

「っあ、や・・・ぐれ、だめ、ああっ・・・!」
「・・・熱、抜いてやるよ」

何度でもな?深夜が苦しい、辛いとグレンの髪を力なく引くのも構わず、
グレンは深夜の鈴口の部分を強く吸い上げた。
ぴくぴくと震える砲身、ガクガクと身体が揺れた。緊張が走り、力が篭る。ぎゅ、と指先が強くグレンの髪を握り締めた瞬間、男の喉奥に吐き出される、濃厚な粘液。絡むそれに、グレンは口の端をにやりと歪めた。
味は苦くとも、それは深夜のモノ。
グレンが嫌がるはずもない。口内にたっぷりと放たれたそれを、味わうようにして喉を鳴らした。
口内に今だ白濁を残したままで、グレンは深夜、と名を呼んだ。
どろりと、口内が濡れているのを、深夜は目撃する。
美味いぜ。口の端に溢れるそれを、グレンは指で拭って、そうして己の指を2本、そのまま口内に突っ込んだ。
白濁と、唾液をたっぷりと絡める。深夜もまた息を呑む。
これからの事を想像すると、やはり億してしまっていた。熱に浮かされた頭は、
既に現状をあまり理解できていないが、
それでも、グレンが滑って光る指先を深夜の下肢の奥に宛がった途端、
深夜は身を竦ませた。ぎゅ、と閉じようとしてしまう後孔。襞をくすぐるようにして、何度も何度も 入口をなぞってやる。

「欲しいんだろ?」
「ん・・・」
「相変わらず、お前のココは狭いな?」

一度解れてしまえば、グレンのあの質量の雄すら柔軟に飲み込んでしまうそこは、
けれど今はまだ、硬く唇を閉ざしていて。グレンは内股に指を食い込ませ、ぐい、と力を込めてその部分を目の前に晒させた。
もう既に、深夜の雄は、二度目の熱を蓄えていて。
先端からはとろとろと先走りを溢れさせ、丸いふたつの柔らかなふくらみから、会陰部にかけてをじっとりと濡らしている。
いつ見ても卑猥な光景だと、グレンは喉を鳴らした。
指を、挿入していく。きつい内部は、けれど異物の侵入を拒むわけではなく、むしろ歓迎するように絡みついて離さない。
深夜の浅い呼吸に合わせて、少しづつ奥に呑み込んでいくそこに、
グレンは笑ってしまった。

「モノ欲しそうだな?」
「やだ、見ちゃ・・・あ、ああっ・・・」

奥まで呑み込むよりも先に、一度指を引き抜いた。
壁をひっかく様に指を引き抜かれる感触に、深夜は色素の薄い長いまつ毛を震わせる。
もはや涙すら湛えているそれがひどく美しい。懇願するように自分をみやるそれを眺めながら、グレンは2本の指をぐっと内部に押し進めた。狭い壁を今度こそ押し開いて、奥まで侵入を果たしていく。
彼のナカは、ひどく熱かった。
きっと、風邪のせいもあって、体内の熱は激しいものがあるのだろう。
奥を解していくと、既に腸液で濡れているのか、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が身体の奥で弾けた。
こうなってしまえば、深夜の内部は解れたも同然で。
狭い入口を開く様に抜き差しを繰り返すたびに、深夜の唇からは甘い声音が漏れ、口の端からはとろりとした含みきれない体液が筋を作った。
閉じ切ることのできない唇、渇いたそれを舌で舐めてやれば、彼の方から縋る様に舌を伸ばしてくるのが
可愛らしいと思う。指の届かない深い場所までなぞる様にして奥をひたすら擦りながら、
腫れ上がった唇のぷくりとした感触を愉しむ。内部のぬめる粘膜の甘さや舌のざらついた感触、裏のツルツルとした場所を味わっていると、深夜がたまらない、とばかりに腰を揺らし始める。
もっと、奥まで欲しい。そう、口の中で訴える彼に、グレンはようやく唇を開放してやった。
腰を抱えて、己の膝上に乗せてやった。
とろとろと蜜を溢れさせている深夜の入口を、焦らすように己の楔で擦ってやれば、
それだけで疼く身体を深夜は止められずにいた。

「っあ、グレっ・・・焦らさないでっ・・・ナカに、」

欲しい、と、そう訴える前に、グレンは深夜の胎内に侵入を果たしていた。
熱く滾る内部がグレン自身に絡みついてくる。グレンもまた、やはり久しぶりの深夜の中の感触にひどく煽られていた。
唇を噛み締め、必死に衝動に耐える。腰をひくと、ずるりと粘膜が絡みついてくる。それを再び押し開くようにして、
内部の奥の奥までを貫く。その一連の行為の度に深夜の身体がびくびくと跳ねた。
激しい吐息と、鼻にかかったような声音が止まらずにいた。
耳を犯すようなそれに、グレンもまた欲望を強く自覚する。無意識して上唇を舌で舐め取り、深夜の腰を抱え直す。角度を変えて、奥を抉った。深夜の弱い部分にあたる角度は知り尽くしていて、
そこを狙って突き上げれば、深夜の声音が更に甘さを増した。
既に喉は潰れていて、掠れたような声音。それでも合間に己の名前が混じるのが、ひどく心地よいと思った。

「深夜、・・・」
「あ、ついよ、グレン・・・」
「・・・ったく、だから無茶すんなって言ってんだよ」

苦笑して、赤く染めあげたような彼の頬に触れた。唇を落とす。
グレンの身体が傾き、そのせいで挿入する角度が変わった。圧迫感が増す。深夜ははぁはぁと喘ぎながらも
己を抱く男の背を抱き締めた。
正常位の体勢は、男の身体には負担が大きいが、それでもやはり満たされた感じがした。
必死に縋りつけば、彼もまた、背を抱き締めてくれたから。
彼の動きにつられて揺すられて、もはや衝動を抑えることは不可能だった。
深夜、と、耳元で聞こえるだけで、身体が反応を返してしまう。
グレンがほしくて仕方がなくて、全身で彼に縋りついた。彼の腰に足すら絡めると、グレンは苦笑して、
そうして触れるだけのキスをくれた。突き上げが一層重くなる。
ぐるりと腰を揺らすグラインドと、ぐちゅぐちゅと泡を吹く程激しい抽挿が繰り返され、
もはや深夜の意識は焼き切れる様。

「あっ、あっ・・・!だめ、グレ、イっちゃ・・・」
「深夜、俺も・・・っ、」
「っあああ―――っ・・・あ、んんっ・・・!」

がくがくと揺らされたその次の瞬間、下肢の奥に焼けつくような熱が叩きつけられ、じわりと広がった。
グレンの、欲望の丈だ。己の身体を欲しがった証。
それが一番うれしいと思う。零したくなくて、無意識にぎゅう、とナカが締まった。
深夜もまた、激しい奔流に弱い部分を刺激され、あっけなく精を吐き出してしまう。2人の間でぴゅ、ぴゅっと断続的に吐き出されるそれが、じっとりと濡れて吸いつく様な肌を更にべっとりと汚していた。
快楽の余韻に浸ったまま瞳を開けると、目の前には男らしい端正な表情。

「・・・ぐ、れん」
「気持ちよかったか?」
「うん・・・サイコー。・・・熱いけど・・・」

見れば、深夜の額に置いていたタオルも、もうすっかり温くなっていて。
グレンは肩を竦めて、それを手にとると深夜の肌の汚れや汗を拭った。力なく身体を預ける深夜は、
男にされるがままになっている。

「当たり前だろ。悪化したらどうすんだ」
「ん〜・・・その時は、またグレンに看病してもらえるから、いいかなぁ・・・なんて」
「馬鹿だろお前・・・」

体調を常に万全にしてこそ、軍人だというのに。
そんなこととっくにわかっていて尚、自分に甘えようとする彼の思惑に溜息をつく。
腰を引いた。
自身の吐き出した白濁が、まるで銀糸のように己自身と彼の名残惜しげに収縮するそこをとろりと繋げる。
まだまだ続けたい気持ちはあったが、そこはさすがにグレンも理性で耐えた。
冷え切っていた肌は、今は暖かいが、このまま冷やしていてはまた元の木阿弥だろう。
熱い、と唇を尖らせて文句をいい続ける深夜を、
今度こそ黙らせ、夜着を着せ、そうして布団をきちんとかけてやった。
とろん、と見上げる瞳。今は熱っぽいというより、けだるげだ。

「・・・少し眠ったほうがいい」
「・・・グレンは」
「傍にいる。―――それでいいだろ」
「ん。」

熱すら帯びる白いタオルを、こちらもとっくに氷の解けてしまった洗面器に浸して、
また絞る。額と目元に宛ててやり、そうして唇にキス。

「おやすみ、グレン」
「ああ。ゆっくり休めよ、深夜」

深夜の、汗ばんだ銀の髪の毛を梳いてやりながら、
グレンは大人しくなった中性的で整った綺麗な顔立ちを、いつまでも眺めていたのだった。





end.









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